台風は微妙にそれて、たいした影響もなく過ぎ去ったが、もし桧原湖に行ってたらほとんど雨だっただろう。なんとなく諦めもつくがアダチ君と会えなかったのは残念至極。今では一年に一度しかない機会だからだ。
今年を最後に桧原湖キャンプはやめようと思っていたが、こういう形ではなあ。とはいえ、果たして来年の家庭状況がそれを許すかどうか…
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 牧場キャンプ場

雨の日が続くとリルが退屈する。キャンプ道具を並べ立てていた分、リルはがっかりという感じだった。一年に一度なのに「キャンプ」という言葉は覚えている。
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 つまんない。

台風通過前後の雨降りで、いい加減家の中で遊ぶのが嫌になっていたリルを近くのアーケード商店街に車で連れ出す。食事がてら、買い物がてらにその中を行ったり来たり。
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 雨降ってないよ~♪

リルの味方、アーケード商店街だがさすがに走るわけにもいかないので、ひょこひょこと歩いてはおいしそうな匂いのする店の間で立ち止まったり、誰かにナデナデしてもらったりして、なんとかご機嫌をとる。
我が家の逃亡者は、本来キャンプであったこの期間も大学へ行った。オープンキャンバスの手伝いだという。「キャンプが中止になってから決めた」と言っている。
まあ、部活の役回りなのだろう。
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 ケーキあるよ~

この四日間は毎日実家に出かける。
父の具合が優れない。午後は寝ていることが多くなった。いわゆる老人性衰弱で、何をしてもすぐ疲れる。食は細く、食欲もあまりない。
まあ、料理もできなくなった母が毎回同じような総菜しか買ってこないから無理もない。シュウマイだけはいつもごっそりとある。顔を合わせるたびに野菜が食べたいという。
家内が何かを作って持って行っても、母は”一度入れたら二度と出てこない”冷蔵庫にしまい込んでしまう。冷えたレバニラなんて最低だ。
父のためにぬか床を買い、ぬか漬けでも食べさせようとしたが、その小さなホウロウ容器は翌日冷凍室に入っていた。こんなことは日常茶飯事だ。あげ連ねたらキリがない。
宅配の弁当などを頼んでも、味が合わないとか量が多いとかで一月と続かない。ひどい時は三日で契約解除だ。これじゃあ、まともな栄養もとれない。
昨日は暑い中エアコンもつけずに、おでんを食べていた。
さすがに三食作りに行くわけにも行かないので、今年になって一度も顔を見せない弟に電話して、たまには助力しろと訴えた。弱ってきた父だが自力ではかかりつけ医に行くことも難しいので、ケアマネと相談して在宅定期診療を頼むことになった。
隔週で往診してくれるしその報告はケアマネも共有する。いざという時は24時間365日体制で即座に来てくれるという。
かかりつけ医の紹介状がいると言うので、昨日夏休みにはいろうとしていた町医者をつかまえて説明。今日は在宅医療システムの事務所に行って申込書を提出。だいたいこの手の事務作業や手続きは私がやっている。死ぬまで事務仕事とは縁が切れそうにない。

事務所は離れた区役所近くなので、ミニバイクで行く。信号で止まるとヘルメットは暑いねえ。
帰りがけ、伊勢佐木町に寄って昔なじみのあんみつを買う。
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私が生まれ育った街の老舗だが、ここのあんみつは母を喜ばせるに違いないと思った。
私が小学生くらいまでの記憶は母の中にまだ残っている。
昼前で、あんみつを食べたら昼食を食べるかどうかちょっと心配だったが、二人が喜んで食べてくれるのが一番いい気がしたのだ。
案の定、母は目を輝かせて喜んだ。父も黒蜜が美味いと微笑み、少年時代の駄菓子屋で食べた蜜豆の話をした。
でも、私は知っている。
この二人が結婚する前に、伊勢佐木町の甘味処で度々会ってはあんみつを食べていたことを。
少年時代に近所に住んでいた伯父からそっと教えてもらったのだ。
父も母も私の前ではそんな話はしないが、きっと母の残されたわずかな記憶にも、その時同じように少年時代の蜜豆の話をしたであろう父の思い出にも、甘いあんみつの味が蘇ってきたのだろうと思った。
二人ともぺろりと平らげた。
一時の幸せがあるからこそ、人は生きていけるんだ。