朝から雨が降っていた。
今日はお彼岸で両親と墓参りをするはずだったが、これでは無理だ。午後からにしようと言ってみたものの天気予報では午後も雨マークが並んでいる。昼食をとっても雨はまだ止まない。
「明日の午前中にしよう」そう告げて、さあ何しようと考えた。最近ご無沙汰の接骨院か、はたまたヤブ医者か。って、暇ができたら医者っていうのもなあ…
ここのところ寝不足が続いたせいか、昨日が妙に寒かったせいか、頭が重い。風邪でもひいたか。
こんな日に医者に行ったら何言われるかわからん。やっぱり、医者は体の具合がいい時に行かなくては。

食後にボーっと、ソファで横になっていたら雨が止んだ。それから30分もしないうちに薄日が差してきた。どんどん明るくなって、青空が出てくる。なんだよ~
14時になって決断する。
「そうだ、海に行こう!」
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 きれいに晴れた。

リルとマリーナに着いて、ちょっと見点検を済ませるともう15時近い。艤装の時間がもったいないから機走でトコトコ走り出す。
秋の日は釣瓶落とし、あの猛暑の夏はこんな時間でも太陽がギラギラしていたが、最近は日が傾くのが早い。
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寒かった昨日に比べると、今日は5℃ほど気温が高く27℃。風も微風。
それでも4ノットほどで走っていると、暑さも寒さも感じない。実に心地よい。
暑さ寒さも彼岸まで か。
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 気持ちいいよねえ。

週末とあって、ヨットもボートも結構いるが、この時間だと皆さんボチボチとご帰還あそばされる。
ただ、お仲間というか、いつものメンバーというか、見知った”フワフワ漂流組”が私のあとから続いてくる。
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メンセールだけ揚げてる人や、私のようにただ機走してる人たちは、別になんの目的も目標ももっていない。ゆっくりと、暮れなずんでいく秋空の下で命の洗濯をする。

八景島沖では学生ヨットの練習をしているが、出ているのはほとんど470級。
先週江の島でプレ五輪ともいえるヨットの世界選手権があった。女子470級は銀メダルだったから、触発されたのかもしれない。
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さっきまで雨が降っていたので、遠くは少し靄っている。
三浦や南房総がよく見えないし、その辺はまだ雲が厚い。
しまった、飲み物も食べ物も買ってこなかった。非常食も缶詰があるくらいだ。
リルが膝に顎を乗せてきて、ビッケ頂戴の仕草。
「ごめんな。今日は何もないよ。そろそろ戻るかな」
1時間ほど走ってUターン。
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まあ、夏を含めてあまりエンジンを動かしていなかったから、バッテリー充電には好都合だ。
波も穏やかだし、またつき始めた船底の藻を落とすには丁度いい。
だんだん、日暮れて静かになっていく海をリルと二人でボーっと見ている。
フネは車のように前方ばかり見ているわけじゃない。360度を見回すが、脇見運転とも違う。ヨットは速力がない分、いろんなところを見渡すことができるわけだ。
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キラキラと夕映えが差し込み始めると、海は金色に輝く。
今日は富士のシルエットがきれいだ。
東京湾にほとんどの船影が消えると、すでに17時を回っている。
そんな静寂の中でポンポンとエンジン音を立てながら帰港。
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 お腹すいたよね。

フネ洗いの一つもしたかったけれど、体がだるい。やっぱり風邪か?
どうせ来週も雨続きだからと言い訳してマリーナを出る。
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 そうか、今日は大潮だったんだなあ。

アウトレットの解体が始まって、土曜日と言うのに人もまばら。
ゴールデンレトリバーを連れた白髪の方が、海に向かってフルートを吹いている。
日暮れてもまだ茜色の雲が浮かぶマリーナに、その透き通った音色が優しく響いていた。
こんな風に歳をとれたらいいなあ、と思いつつ家路につく。