D旗たなびく

忘却甚だしく、メモ代わりにちょっと書くだけ。 コメントは受け付けていません。

2017年09月

2017.9.21 晴れ 30℃

ボランティアの夜は9時半ごろの夕食になるためか、どうもすっきり眠れない。
まあ、あんまり早く寝ると胃の負担が大きそうだし…
それに結構テンション高めだから、家に帰ってクールダウンする必要もある。
なので大体木曜の朝は遅起きで、家人の姿はない。

午前中の厄介事を終えて家を出られたのが10時半。なんかもうすでに暑い。
でもね、今日は風がいいんだ。
出かける間際にメールチェック。SNSを含めて結構多いんだな、これが。
その中に、高校時代の同級生タグチから唐突なメッセージがあった。彼とはかれこれ30年ほど会ってない。彼とは中学高校と同じクラスで部活も一緒だった。どうやって捜し出したのか分からないが、びっくりした。
下の子がまだ大学1年なので、退職できないとか言ってた。そのくせ大阪に5年も単身赴任してるらしい。
「念願かなってヨット所有者だな」とか書いてあったが、あいつにそんなこと喋ったかなあ?
もっとも、中学1年の時に”将来の夢”とか題された自己紹介で、私は
「海の男になりたい!」とか叫んでみんなの嘲笑をかったっけ。
そのヨットに乗りに行くから会おう、などと言うので、それじゃあまたなとか打って、メールを収めた。画像をみると、童顔だった学生の頃の面影はあったものの、やっぱりお互い年寄りだな。
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気温は高めなんだが、湿度が低い。
初めのうちは東南東が6m/sほど吹いてたから、実に気持ちよかった。
夏が終わってすっかりやる気をなくしている教室生徒のことを考えながら、リルと一緒に乗る。
昨夜は七転八倒だったなあと反省しつつ、それを次に繋げられるようあれこれと考えたりする。
いやあ、それにしても久しぶりのセーリング。気持ちいい。
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 リルもご機嫌。

ところが1時間もすると、風が南にシフトしながら弱まった。
穏やかな秋の海だ。
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台風だ、夏日だと、急激な変化に苛まれて二の足を踏んだ余裕派のヨットマンたちがちらほらと出てくる。
こんな穏やかな海こそが秋らしい。

八景島を過ぎて、横須賀軍港の方にやってくると見慣れない米軍船が視界に入る。
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なんじゃ、ありゃ。
あんまり近寄ると叱られるので、15m以内でタックを返しながら、様子を伺う。
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こりゃ物資輸送艦だな。
陸からごっそりと荷物を積みだしている。簡易桟橋まで用意されているから人の出入りも頻繁なんだろう。
米軍第7艦隊所属の船に届けるのだろうか。荷物はしっかり梱包されて何がなんだかわからない。
郵便物とかもあるんだろうなあ。
潜水艦なんてどこをどう走っているか分からないからなあ。
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私は船を見て育ったから、人並み以上に船に対する好奇心が強い。
なので、こんな時はじっくり観察することにしてる。
それにしてもやたらとアンテナやレーダーが多いなあ。

リルが飽きてきたので、少し離れてオニギリ。
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 あー、これ!

やっぱり海の上で食べるオニギリはうまいよなあ。どんなご馳走にも勝るな。
日本人に生まれて良かった。
と、そこに機走する「みらいへ」。
まだ、この辺にいたのか。
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3時間ほど揺られて帰港。
タックをたくさんしたから腰が痛い。
フネ洗いした後、少し休憩。
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  なんだ、ビッケ持ってないのか。

フネのオーニングはショックコードで8か所留めてある。ショックコードと言うのは合成ゴムをナイロンで包んだシートなのだが、これは消耗品。
帰り際、マリンショップで新しいものを買う。
ニコニコ顔のリルを連れてアウトレットを通って、駐車場に向かっていると、超ミニの真っ赤なワンピースを着た金髪女性に声をかけられた。
「触ってもいいですか?」
と、どうやらリルをナデナデしたいらしい。
それにしても、スタイルといい、プロポーションといい、容姿といい、まるでモデルか女優。アメリカ人だという。
それにしても、ド派手な衣装だし、だれも連れがいそうにない。
彼女がリルと戯れている間、どこかでビデオカメラでも回してるんじゃないかと思った。
私、この手の美人は大の苦手。どこ見ていいかわからないから目が落ち着かなくなる。
リルもキョトンとして撫でられてるが、目が不安そうだ。

開放されたらどっと疲れが出て、喉が渇いた。ベンチでリルとコーラの一つも飲んでボケーっとしながらアウトレットを出る。
オニギリは美味しいけど、腹が減るな。
ついでにマックでも買ってリルと食べようと歩いていたら、件の外人がスタバの外テーブルでアイスコーヒーを飲んでいた。
「Hello, meet you again !」とか言って手を振られたので、仕方なく愛想笑いを浮かべて近づいた。
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彼女が手にしていたのは日本語の漢字テキスト。
これで、ガラッと親密度が増した。
日本語のボランティアをしてるからと、うちのHPを紹介し、もしよければ来てくださいとかなんとか言ってる間に、自己紹介になった。
どうも日本の外交官(政府の仕事)の奥さんらしい。
日本語を勉強していた鬱憤が噴き出たように、やたらと早口でまくしたてられた。
フロリダにいる祖父の犬(フレンチブル)、LAで生まれたこと、ニュージャージーやマサチューセッツにいたこと、日本人の夫に言われてN-5は受けたけどN-1を目指せと言われていること。
そりゃあ、もうなんでもいいから人に話を聞いて欲しいっていう感じ。
ちなみに彼女がノートに書いて練習していた漢字は「汚い」。
私が応答してる間は、how sweetyとかbabyとか喚きながらリルに顔をぐしゃぐしゃくっつけるものだから、リルはびっくりしてワンともなし。よほど寂しかったらしい。
今度いつ来るかとか訊かれたので、天候によると答えた。
「ニホンゴ オッシエテ クダサイ」と頼まれたが、こちらとしてはそんな余裕はない。
また逢ったら、少し教えてあげると言っておいた。

目の保養にはなったけど、ミセスには見えなかったよなあ。
うちの教室にはいないなあ。




台風18号の接近が秋雨前線を刺激して、昨日から雨降り。明日にかけて本州を直撃するようだから今夜は暴風雨だろう。
本当は昨日土曜の夕方に、谷公とコクピットで”お話し”をする予定だったが、お流れになった。
リルは退屈極まりないという顔をしているので、この数日例によってホームセンターへ行ったり、大型家電販売店に行っている。
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  客より店員の方が多いねえ。
それにしても、最近のヤマ〇電機などは家電というよりホームセンターに近い。食料品から住宅販売までなんでも手掛ける。
が、単一のオーディオアンプやチューナーなんてものは売ってない。
世界に誇った日本の家電メーカーが左前で、経営に四苦八苦しているから量販店などに回ってくる品も薄いのだろう。かつて米国のGEなど三大メーカーが日本製品に押されて倒産や規模縮小に追い込まれたが、まったく同じ道を辿っているように思う。
量販店も親亀こけたらの図式だ。巨大資本をバックに町の電気屋を切り崩し、在庫を買いたたいて安く売っていた構図はもうない。

ナオト氏から頂いたJBLのスピーカー、リサイクルショップや中古家電販売のネットショップにはそれに応じたアンプなどが売られている。勿論、音響メーカーの直販もあるが、どれもこれもメインセイル1枚分もするようなものばかり。高級志向やプロフェッショナルな業界用という感じ。
真空管1本1万円もするようなアナログ機器は当然手が出ない。
で、スピーカーコードをうまく合わせて、従来のコンボステレオにつなげてある。幸い、インピーダンスが6Ω、スピーカー側が8Ωなので故障することはないだろう。
今も柔らかな音でトミー・ドーシーのトロンボーンが流れている。ボリュームを通常より2目盛り分上げれば極上の空間になる。しばらくはこれで過ごすかな。
幸い、部屋の片づけをしたらうまくスピーカーも収まった。調度品も買わなくて済む。
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雨と残暑の合間を縫って、一昨日(9/15)リルと久しぶりにセーリングした。
涼しい日だったので、午前中のやっつけ仕事を終わらせて昼がてらに出かけた。マリーナはガラガラでほとんど浮かんでいるヨットは見かけなかった。
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 気になる…  

マックのテイクアウトを食べ終えるころ隣バースの兄弟船が午前の釣りを終えて戻ってきたが、ほとんど釣果がなかったようだ。
が、彼らがフネ洗いして、釣り道具を片づけ始めたらたまたま小鯵が針にかかった。
「嵐の前はよくここ(マリーナ)に逃げ込んでくるんですよ」と言いながら、係留したボートから糸を垂れ始めると、これが入れ食い。針を入れて3秒もしないうちに南蛮漬けに適当な小鯵がかかる。
もとより、マリーナ内は釣り禁止。それはご自身もご存じだが、何時間も波にもまれて釣果数尾では餌代にもならぬ。見て見ぬふり。
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微風もいい所だったが、リルとユラユラ漂うにはこんなんでいい。
風がはらんで進めば取りあえず帆走だからね。

ここのところ、人に会うことも多かったし、電話もよくかかってきた。
谷公のお母さんは入所施設で足を骨折、友人タカハシは糖尿性神経障害で足にしびれがあるらしい。
母の芳しくない状況や、ボランティアの生徒さんの窮状などあまりいい話がなかったので、ちょっと海で一休みだ。
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  ヨットスクールISPAの練習。
エンジン音のないヨットにリルも実にリラックスして、惰眠を貪る。最近、歳のせいかよく眠るようになってきた。
家にいればリルは宅配や郵便配達などに気を遣い、侵入してくる野良猫を威嚇し、隣家の犬たちの動静を絶えず伺っている。フネはそんなテリトリーを気にしなくていいし、主人が食い散らかす物のおこぼれに預かりやすいからねえ。
波切音の揺りかごに2時間ほど揺られて戻る。
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 フネ洗いしないの?

明日は敬老の日。
家族そろってしゃぶしゃぶを食べに行く。





教授”ことナオト氏が愛犬ロジャ君追悼のスピーカーを自作したので、必要なくなったJBLのスピーカーを処分したいと言う。
痩せても枯れてもJBL。その音質の柔らかさはすでに何度も訪れて聴いている。愚息にどうかというので、いやそれは私がもらうと本日、秋谷の工房までリルと出向く。
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   教授自作のスピーカー

私が出かける時はいつも雨天だが、雨が嫌いなリルにはある意味丁度いい。
愛犬を亡くして早や一月の教授に、愛想振りまいてこい!

家にあるお菓子を袋に詰めてリルの気を引き引き横横道路を南下。家を出てすぐに雨が上がり、こいつは少しいい気配。
約束の時間の少し前に着いたが、ノッカーをバチンバチンと叩いても応答なし。名前を呼んでも返答なし。どこかにちょっと出かけているのだろうと近くの公園をリルと散歩する。
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  雨降ってないんだよ。

ひとしきり遊んでやって戻るがまだ応答なし。
ドアノブをひねってみると鍵もかかってないから、余計慌てた。
風呂場で倒れてんじゃないの?
勝手に中に入ると窓まで開いてる。風呂場を覗くが誰もいない。こりゃあ密室殺人にはならんわな。
ドアに戻ると内側に張り紙がしてあった。
「下の工房にいます」
って、宮沢賢治じゃないんだからね。

教授は工房で新しいスピーカーの作成をしており、電動工具を使っているので耳栓をしていた。

リルはこのお宅に何度も来ているのですっかり慣れている。
愛犬家の教授だから、リビングの床も滑らない。持ってきたボールでリルと遊ぶ。(本人は雨天練習場だと思っている)
教授にもコーンで遊んでもらって、この表情。
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 ここ好き。

教授お手製の”ボソボソ”のスコーン(これ英国風)にクローデットクリームとブルーベリージャムを塗りつけて、お決まりのランサム談話。
私の友人の中で、カンブリアやノーフォークの事を共通話題にできるのは教授しかいない。ましてやそこにランサムが絡む話となると周囲には誰もいない。
程度の差はあれど、ランサムと英国と少年時代からの夢を話せるのは教授をおいて他にはないから、だんだんディープになっていく。これがまた楽しい。
教授はブライトン近郊の大学にに1年間在職留学しているので、私なんぞよりよほど多くの事を知っている。その1年の間にランサムの関連の資料をかき集めていたわけだ。
ただノーフォークの風車については御存じなかった。英国に風車があることが意外のようだった。
ヤーマス近郊
   車窓からの唯一の1枚。(フィルム切れになった)

ランサムの話も面白い。私の稚拙な疑問と推論に”教授”らしい答えを出してくる。
こうなるとなかなか話が止まらない。
教授が調理したタコスを食べながら、ずっとそんな話をしている。(リルは話よりも誰かが何かをこぼさないかとずーっとお座りして見守っている)
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 なんかくれるのかな?

教授の私的な願い事を、図工2の私が無謀にも果たし、午後の3時半を回ったところでお暇。
あっという間の5時間半だった。

家に帰って、スピーカを設置しようとしたら置き場所である調度品の寸法がちょっと足りない。配線も少し違うので結局部屋の片隅置いてあるだけ。
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これを機に家具とチューナーを買うことにしよう。
それまでは無駄な置物かあ。




2017.9.8 晴れ 26℃

ヨット専門月刊誌、舵社の10月号「KAZI」に、ナオト氏のディンギー制作記が載っている。
ランサムの関連の部分は割愛されたと言っていたけれど、しっかり5ページの写真付き特集。
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ナオト氏のディンギーNancy号の進水式ついては、このブログにも書かせてもらったし、以前のブログでも何度か取り上げさせてもらった。
舵社の取材が入って、いつその記事が出るかワクワクしていたのだが、やっと今月号に載った。
これも一つの記念だからこのメモブログに書いておこう。
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いまさら言うのもなんだけど、彼のディンギー製作は本当に緻密だ。ディンギーのみならずカヤックも精緻で玄人はだしである。一度ならずともカヌーやカヤックを作った経験があればそれがどれだけ細かな作業だったかはわかるし、タカハシのようなヨットの素人でも出来栄えを見れば感嘆する。
私などは行くたびに声を失った。
あのエンドウでさえ目を丸くしていた。(ちゃっかり記事写真に載ってる)
アーサー・ランサムに夢中となった少年が半世紀を経て、その夢にたどり着いた。
私としてはここのところをもっとクローズアップしてほしかったのだが。

ランサムのDNAを受け継いだ子供が自分の夢を思い描き、どのように生き、流転と挫折或いは栄光と名誉を得ながらその夢を紡ぎ、育み、実現へと結び付けていったか、それが一番大事なことのように思う。Nancy号はその目に見える結果なのだ。
ナオト氏にはさらに頑張ってもらって、もう一つのライフワークの完結に向かって欲しい。ご自身が一番よく分かっているはずだ。

今日は息子のいい加減なスケジュールに振り回されてしまって、マリーナに行けたのは15時過ぎ。
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明日、この海域では1年に1度のタモリカップがあるので、帆船「みらいへ」他たくさんのヨットが集結していた。出艇数が多いので明日の朝は早いらしく、皆さん今日から泊りがけだ。
浦賀ヴェラシスに拠点を置く60ft艇の船長とお話しする。
この経験豊かな船長は、30tもあるこの岡崎ヨットをシングルハンドで操船すると言う。当然ながら外洋向けヨットなのだが、タモリカップは”お祭り”だから賑わいの一役を担うのだと言っていた。
このお祭り後には、小豆島の岡崎造船にドッグ入りするらしい。クレーンでは上がらないのだという。
「じゃあ、頑張ってください」というと、
「頑張りませんよ」と返した。

なんだかマリーナの外も賑やかそうなので、出艇せずメンテに徹し、夕方の心地よい風をリルと味わった。こんな時間が一番好きだ。何も考えないでボーっと夕暮れを見ていた。
日が暮れるのも早くなった。夜のとばりが迫る頃には肌寒い。
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  もう、帰るよ。

明日は両親と”肉”を食べに行く。



2017.9.7 雨のち曇り 25℃

ここのところマリーナにも行ってない。が、毎日せわしい。
退職したらもっと優雅な生活ができるのではないかと思っていた私がバカだった。
昨日はボランティアでまた新しい生徒を迎えた。今日は実家でケアマネと話し、昼食をはさんで両親を区役所に連れて行った。時間がうまく取れないので整骨院通いはやめた。
毎日なんとなくバタバタして、自分の勉強も捗らない。
まあ、貧乏暇なしってやつだな。

私が自分のクルーザーを夢見たのは小学生の頃だった。
でも、それは「鬼号」ではない。勿論、「ツバメ号」や「アマゾン号」は別格な存在で、絶対に”乗る”と決めていたが、それはディンギーの話。
キャビンを持ち、ベッドがありキッチンもあるクルーザーは夢のまた夢だった。
憧れのスクーナー、「ヤマネコ号」はランサムの本に登場するたび胸がワクワクした。ただ、それは”子ども達の空想の世界”。シェイクスピアの劇中劇。クルーザーというより帆船だ。
マムシ号156

小学生の私が一番感銘を受けたのはオオバンクラブの「死と栄光号」なのだ。
デス・アンド・グローリイ(このフリガナが最高)は積載ボートを改造したクルーザーだ。サルベージ会社のプレートを持ち、土管の煙突を付けている。船大工の息子たち、ジョー、ビル、ピートのお手製のクルーザー。無理矢理分類すれば1本マストのキャットリグだが、マストなどのスパーは沈みかけたマーゴレッタ号を助けたご褒美でもらったもの。主要エンジンは人力のオール2本。
オオバンクラブの無法者』(この邦題も好き)では古い搭載艇として出てくるだけだが、『六人の探偵たち』では低い”船室”と煙突を持ち、キャビンを白いペンキで塗ったニュー デス・アンド・グロリイとして登場してくる。
今は大型客船の救命ボートも鎧張りの木製なんてのは見かけないが、当時の搭載艇は上陸用舟艇を兼ねた頑丈な作りだ。映画では反乱がおきると、決まって心もとないボートで船長たちが大海原に流される。ジャック・スパローもそんな一人だった、あれね。
スタンがほとんどなく、堅牢で鈍重だが、アウトラダーだから一応帆走できるようにはなっている。
『オオバンクラブの無法者』では”ガレー船の奴隷”が漕ぐというような比喩で紹介される。
ロクサム沼JPG

今はともかく、中学生になっていた私はとても興味津々だった。
フネに泊まれて、煮炊きもできるボート。こりゃあ、動く別荘いや秘密基地じゃないの!
あれから、ずーっと「死と栄光号」を夢見た。

アダチ君と北部の湖にディンギー、ウィンダミア号を浮かべたのは30歳をとうに過ぎていたが、小さい頃に夢見た”自分たちのフネ”であることはとびっきり素敵なことだった。
1年に3回、桧原湖でキャンプし、毎日毎日桧原湖をウィンダミア号で探検した。
ウィンダミア号には10年乗ったが、年を経るごとに、
「キャビンがあって、寝泊まりできたらなあ」という思いが強くなっていくのだった。
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   ウィンダミア号航海日誌より

我がJollyhotはれっきとしたクルーザーだ。
寝泊まりできるし、ギャレーで分厚いベーコンを焼くことだってできる。できないのは、ガレー船のように長いオールで漕げないことぐらいか。
私とリルの憩いの場でもある。まったく申し分ない。
ただ時々思う。
このフネが湖にあったらなあ、と。
フリント船長の屋形船や、愛犬を乗せた”動かない”ティーゼル号トムのテントを張ったティットマウス号… 水の上のプライベート空間は我々日本人が考えるよりも英国人は発想が豊かだ。
レースだブルーウォーターだのと決めつけない。湖沼地方の当たり前の生活がそこにはある。
『オオバンクラブの無法者』にはそんなフネがたくさん出てくる。
中学生の頃はよく分からなかったことも、20年後に読んだらまさにフネのオンパレード。このブローズ2作品は年を取ればとるほど、そのバックグラウンドの華々しさに驚く。等身大のランサムの観察眼が文字になっていることがわかる。

暇さえあればそんなとりとめのないことを考えている私も、未だガキだな。
っていうか、最近体力の衰えを感じてるのかなあ。
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  オマエじゃガレー船は無理だし…

整骨院やめたから、体重いし、腰も痛い。そんなこともあるかなあ。
ランサムの世界から死ぬまで抜けきれないんだろうな。





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