D旗たなびく

忘却甚だしく、メモ代わりにちょっと書くだけ。 コメントは受け付けていません。

2018年09月

体にグリスを塗りたくったような一日が終わると、あーら不思議、臀部や大腿の発疹は見事に消えて痒みもなくなった。上半身も背中の湿疹は数も減り、擦りまわりたいような痒みも軽減されたが、”虫のように”動いて今度は胸やわき腹に出始めた。それも取り敢えず抗ヒスタミン軟膏で暴れだすのを抑えている。
ステロイド系の強い膏薬が主体で、日に何度も塗るものだから、妙に体が怠い。
でも、問題は食べ物。
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蕁麻疹が出ている間は控えてくださいと医者に渡されたこの一覧、ほとんど毎日私が食しているものばかり。
ここから外れるものと言えば、牛肉に鶏肉にご飯。しょうがないから昼は牛丼を食べた。
食事制限やら酒飲むなとか、面倒だなあ。夕飯はどうしよう。

非常に強い台風24号が近づいている。列島縦断する予定でかつての伊勢湾台風並みだと言う。
昨夜の雨はゲリラ豪雨のようだったが、今朝は止んで日差しが出始めた。風も涼やかで嵐の前の静けさと言ったところ。
薬の実家配達を家内に任せてリルとマリーナへ。
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 今日は走らないんだよ。

フェンダーカバーがボロボロになってしまったのでフェンダーを一つ取り外していたのだが、昨夜家内がそのカバーを作ってくれたので、取り付けに行く。
尤も、現状はシングルバースと同じなので、スプリングを両舷から張ることができる。従って、フェンダー自体はバースに接触していない。むしろなくてもいいくらいなのだが、やはりそこは台風。スプリングロープが切れないとも限らない。甘く見ちゃだめだ。
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いつもよりオーナーが多いくらいで、皆さん愛艇の管理に余念がない。舫綱の点検などをしている。
私がビルジの排水口に紙テープを貼っているのを見て、とあるオーナーが
「そこまでしないとだめですか」と声をかけてきた。
我がフネ、マイレディは船尾トランサムが斜めになっているから、横殴りの激しい雨だとポンプ側に入り込むのだというと納得していた。ビルジポンプを壊すとその取り外しや取り付けがとても厄介だということは身をもって知っているからねえ。
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 スプリングの点検をして戻らない私をずっと見てるリル。

リルは保釈金払ってやっと外に出られた拘留者のごとく、我が世の春(秋か)を満喫していた。
駐車場に車を停める前からギャンギャン騒いで、早く早くとせっつく。マリーナがドッグランであるかのようなはしゃぎっぷり。
「点検したら雨が降る前に帰るよ」などと言おうものなら、狂犬病のごとくに無駄吠え反抗。
やかましい!
アウトレットがなくなって人が殆どいないものだから、ここぞとばかり吠えている。

今日はフローティングヨットショーの最終日。こんな日に来る奴なんていないだろう。
ショーと言うより朝から撤収作業に勤しむスタッフばかりで、なんとも寂しげ。各ブースもテントだけで商品やカタログは昨日持ち帰ったようだ。
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帰りがけにピーター・ダックとお話。
なんと台風25号が発生して、同じようなコースをたどっているらしい。
「また週末が危なそうですよ」と教えてくれる。
えーっ!
今週末はアダチ君がわざわざ福島から出てきてくれる予定。6日の土曜は友人タカハシと合流して、久々の街歩き計画。
嵐を呼ぶ男の本領発揮かあ?
まだ24号の台風も来てないうちから25号の心配をする。

「リル、また台風がくるんだってよ」
閑散としたヨットショー会場に、憤懣やるかたのない無駄吠えが響いた。



相変わらず忙しく、ゆっくり寝る暇さえない。
それに加えて体調が悪い。この数日、背中や臀部の痒みがひどく、市販薬を買ってきたが全然おさまらない。蕁麻疹か?
今日は久しぶりに晴れあがって、風も穏やか。こんな日ならティラーストッパーと無関係に乗れるだろうと朝早い散歩で考えていた。
が、どうにもこうにも痒みが止まらないし、だんだん広範囲に湿疹や発疹が出てくる。
しょうがない、医者に行くしかないか。
ついでに、医療費の還付請求で突き返された不備な領収書の再発行をしてもらおう。
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1件目は整形外科、この領収書には名前が入っていなかったので突き返された。ちゃんと氏名欄があるのに入力し忘れたわけだ。
2件目はあの忌まわしい歯科医。
こちらは医療点数と領収金額があってない。6月に2回行ったが、1回目で多く取りすぎてしまったので2回目で精算したという。なんだよ、その多くとりすぎたっていうのは。1回目の間違えを訂正して返金すればよかっただろうに。2回目に行かなかったら取られ損か。
まったくろくでもない病院ばかりだから、ただでさえ行きたくないのに余計足が遠のく。
この時点で皮膚科に行くのを逡巡。一旦家に帰るも痒さ倍増、背に腹は代えられない。
一番近い内科・皮膚科の町医者へ。
「すいません、今日は皮膚科はお休みなんです」って、看板に偽りあり。
こうなると否が応でも探し出すぞという気になる。
で、ネットで調べて実家近くの皮膚科へ着いたのが11:15。
「予約でないと、ちょっとお待ちいただきますが…」
で、12:30に来てくれと言われる。もう、1時間以上も待つのかよ!
まあ、ちょっと早めの昼食を食べてから来ればいいか。と、近くの蕎麦屋に入る。
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なんか、こんなゆったり食事するのも久しぶりかもねえ。
たっぷり1時間ほど蕎麦屋でくつろいで皮膚科に戻ったが、またさらにそこで30分も待たされ、待合からやっと脱したと思ったら、診察室前の廊下でまた別の問診票を書かせられ、結局すべて終了したのが13時半近く。たっぷり2時間以上はかかった。
そこで処方された薬が7種。服用2つに膏薬5つ。オイオイ。
発疹等は背中や臀部、太腿にかけてだが、背中の方は突発性蕁麻疹らしい。下半身の方は汗疹?
とにかく痒みは同じだが、部位によって症状が異なるらしい。なにしろ複雑な人間だからね。
「アレルギーを誘発するような食べ物はできるだけ避けてください」
と、渡された一覧表。
魚、卵、トマト、カニなどの甲殻類、チョコレート、カフェインの入った飲み物… んで蕎麦!
食べちゃったよ。魚も卵もトマトもお茶も毎日欠かさず食べてるんだぞ~ 鮨屋にも行ったしカニ会席も食べた。我が家は昨日からおでんだし。一体何を食べて生きてけばいいんだ?

薬局で膏薬の説明してもらうも一度聞いただけではどれが上半身でどれが下半身なのかよくわからん。BlogPaint

薬に番号振ってもらって、人体図にその番号を入れてもらう。なにしろ重ね塗りなんてのがあるからどっちの膏薬が先なのかもよくわからん。
分かったのは割と重症なんだなということだけ。
だいたい、背中なんてどうやって塗るのよ。自分の背中なんて何十年も見たことがないし、妖怪じゃないんだから、手が届くわけないじゃないの。ヨガ教室にでも行くかあ?
一通り終わって家に帰るとすでに14時過ぎ。明日からまた台風の影響が出て日曜の夜には直撃の可能性があるとかなんとか天気予報で言ってるし、リルも雨でもないの留守番させられて頭に来てるし、ここはもうマリーナで気分転換を図るしかない。

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 本日よりフローティングヨットショー

午前中、医者巡りをしてる時、ミス・リーがヨットショーに新「鬼号」が出ているとメールをくれた。オーナーのブラディング氏は不在らしい。
さっそくリルと見に行く。
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 ニュー鬼号

アウトレットは取り壊し中で、平日だからマリーナは閑散。
各ブースも暇でしょうがない。リルはみんなにかまってもらってご機嫌。
でもなあ、新型のヨットなんて我が家を売り払っても買えないよ。
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キャビンのマットなどを引っ張り出し、虫干し。いつもだとここで音楽聴きながらお昼寝。
でも、気になるんだよなあ、ティラーストッパー。
ちょっと見てみよう。
と、思い立ったのがいけない。ここから3時間に及ぶ悪戦苦闘。
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 ストッパーのパーツをやすりでゴシゴシ。

コクピットに這いつくばって、あれこれとティラーエンドを観察し、ストッパーを取り出してボルトが折れてるかどうかを確かめる。
この前部の二つの穴は何なんだ?結束バンドを使ってボルト穴と通じているかを検証。
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 ティラーエンドの回転台座。

おお、通った。ってことはボルトの欠損はないということだ。つまり、ストッパー含めて台座はアルミでできているからステンボルトの方が固い。ここはエンジンの振動でボルト穴が摩耗して、ボルトが抜け落ちたとみるべきだろう。
ってことは陸揚げして、ストッパーやボルトの穴を少し削り、径の一回り大きいボルトを入れてやれば修復可能ってわけだ。
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 ティラーエンドもやすりでゴシゴシ。

問題は次の台風。ストッパーなしでもティラーを両側のスタンパルピットからシートを通して中央固定すれば大丈夫だと思うが、ここは念のためにストッパーにボルトを通して固着したい。
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 瞬間接着剤を塗布。

ストッパーに接着剤を塗布し、そのボルト穴にも少しだけ接着剤を塗ってバカになっているボルトが落ちないように接着性のあるシリコンをボルトとボルト穴の周囲に塗膜する。
これからが微妙な作業。
台座を軽く持ち上げながらストッパーを差し込み、ヤスリやドライバーでストッパーを密着させる。
ある程度ついたら、次はボルト。
カッターナイフの刃を差し入れてゆっくりと持ち上げ、六角レンチの細い奴でボルトの頭を中へ押し込む。
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 ボルトの頭を中に入れ込んでいる。

ボルト穴の接着ができたら、固定のために養生テープでストッパーごと固定する。(ビニールテープでは厚みがありすぎる)で、応急処置終了。
勿論、図工2の私だから、カッターナイフの刃をボルトの頭に差し入れるのに何度も失敗し、その都度またストッパーを取り出して、やすり掛けから始まる作業を繰り返したわけだ。
這いつくばった状態で首と手だけ持ち上げの作業だから終わったら首肩がガチガチ。それ以上に全身痒くてたまらない。余計悪化した。アホか。

風呂に入った後、家内に「なにこれ、気持ち悪い」と罵られながら膏薬を塗ってもらう。
明日は全身ヌードを鏡に映して、一日中軟膏を塗りたくってるしかないな。首が回るかな?

午前中リルと散歩した時には霧雨が降っていた。天気予報も午後から雨。
今日は籠城かな?
で、ボランティアの連絡等に時間を費やす。
昼食後、またまた薄日が差してきて青空も見え始める。これ、土曜日と同じパターン。まったく、最近はその日の天気予報も当たらないな。
先週土曜は様子見で二の足を踏んだが、今日は騙されんぞ。
リルと13時にマリーナへ。
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 これから出航。

セイルをあげて乗れれば、それでよし。
今日はちょっと暑いし、風も弱いけれど、海に出ればちょうどいい。
しばらく帆走してなかったから、セイルの天日干しにはもってこいだ。
ここでまた外国人から電話。明後日から教室に来たいとのこと。
今、人がいないんだよなあ。と、思いつつも見学に来てくれとお返事。
気を取り直して出航!
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インチキ天気予報のおかげで三連休最後の日なのに、それほどヨットは浮かんでいない。
が、週末にかけてボートショーやヨットフェアがあるので、ピッカピカの40ft級クルーザーなどが続々と入港してくる。
回航するスタッフも慎重だ。フネ一杯で都心のタワーマンション一室が買えるからね。
それにしても、この抜けるような青空はなんだ。
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 雨のあの字もない。

風は南東の微風。
エンジンを止めると、あの海上の静けさが漂う。やっと一人の時間を持てたという静けさなのだ。
もちろん、リルも楽しそうに定位置を確保している。
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 今日は波ないよ。

後から出てきた26ftヨットと走り比べ。別に、競走するわけじゃない。自艇のセイルのトリムや、速度を見計るだけだ。
できるだけ同じ大きさのフネと走ることで、見比べてセイルの開き具合や上り角度が正しいかを判断する。
結果的には遠く及ばなかったり、今日のように置き去りにすることがある。それは問題じゃない。
しばらく乗ってないと、ちょっとしたチューニングが必要になることも多いから、そんな目安として並走したりする。
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八景島沖で風が南にシフト。ここは地形上馬堀海岸から風が抜けてくるので毎度のこと。タックをすると、浦賀のブランケットに入るから風がぐるぐると回る。
だいたい皆さん、この辺でしびれを切らしてお帰りになる。
ここは我慢して猿島の方へ走るのがコース選択としてはベターなんだが、今日は横須賀に入るところでばったりと風がなくなった。
うへー、こりゃベタだ。
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 さざ波一つなく。

こうなると暑くてかなわん。
エンジン回して機帆走。まあ、天日干しはセイルだけで十分。
パラソルさしてUターン。16時には帰港。
今日はフネ洗いするぞ。
艤装を解いて、ティラーをスタンパルピットに括り付けた時に気が付いた。
あれ、ティラーストッパーが浮いてる。
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ティラーとラダー繋ぐ接合部には回転台座がある。ティラーがぐるぐると回らないように、可動域を制限するストッパーがその台座につけられているのだが、それが浮いてガタガタしてる。
ちょっと触ったらポロっと落ちた。
えっー、なんでよー。
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 どうもボルトが切れているような…

これ、ティラーを台座ごと外さないとつけられないんじゃないの?
このストッパーが壊れるっていうのは普通の操縦では考えにくい。ティラー操作でストッパーに当たるほど急な旋回運動はレースにでも出なければまずない。
っていう事は係留中か陸揚げ時だが、おそらく係留中の台風のせいではないかと思われる。
バースには槍付けして停めてあるが、自バースは北向き、当然ラダーは南にある。習慣でティラーをスタンパルピットにロープで括り付けるから、ラダーは可動域ギリギリで固定され、フネに対して角度がついてしまう。つまりフネに対してラダーが垂直になってないわけだ。
ここに強風と強い波がくれば、ラダーが抵抗となりストッパーに過重な負担がかかる。
なんてこった! こりゃ自分のミスだ。

またしても海王さんに電話。
で、この部品はもう製造されていないこと、週末からはヨットフェアなどがあってその準備で忙しいこと、折れたであろうボルトの先を取り出すのは至難のこと等々を説明される。
接着剤じゃ効果なしだし、こりゃ自分で直すのも大変そうだぞ。
まあ、なくても沈むことはないが…絶好のシーズンをメンテかあ。

結局マリーナを出たのは18時。
中秋の名月に見送られました。
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墓参りの日。
両親を車に乗せたが、家の鍵がないなどといつものように母のナイナイ節が始まる。なくさないようにとバッグに紐で括り付けてあるのだが、その固く結んだ紐をいったいいつ、どうやって外すのか皆目見当がつかない。
家内が取り敢えず家に入って捜すけれど、こんな時は絶対に出てこない。
先に車に乗り込んだ父が愚痴をこぼす。
「昨日はあったんだよ。まったく、毎日毎日なにかがないって捜させられるからねえ」
と、今日はご立腹のご様子。
「とうとう、洗濯機も壊しちゃったよ。入るだけ押し込んで、中のものが取れなくて、動かなくなった」
だいたい、墓参りの日には何かが壊れることになっている。

霊園は混んでいた。
脚の悪い父に家内が寄り添い、私は散歩気分ではしゃいでいるリルを制御してる。その間に、足腰だけは丈夫な母がスタスタと先に歩いて行ってしまうが、墓の場所など覚えているはずもなく、時々立ち止まってはみんなを待っている。なんで一緒に歩けないかねえ。
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 おい、どこ見てんだよ。

去年までは墓掃除ができた父も、今年はせいぜい花台に水をやるぐらいが精いっぱい。母も雑草取りくらいしかできない。息子がいない分、私が墓石をきれいに拭き上げる。
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 誰の墓だと思ってるんだろう?

コニーの墓にもお参りするが、管理費を払うからと事務所に行く父を一人にしておけず、また母をその辺に置き捨てたらどこへ行くか分からないので、コニーの墓参りには家内とリルだけ行ってもらう。
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 また財布がないらしい。

役に立たないようで、息子はそれなりに必要性があるんだなあと実感。逃亡者め。
普段なら、この後お昼の会食だが、今日は彼岸の中日ということもあって車が渋滞。とてもじゃないがレストランなどに寄る余裕がない。リルをずっと待たせなくてはならないし。
「近くのスーパーで駅弁フェアやってたから、家で駅弁食べよう」
で、家内と母が適当に買ってきた駅弁を我が家で食べる。
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駅弁は当然冷えたものだから、家内が朝の味噌汁を温めたり、漬物などを出したりして、それなりに食卓を飾る。
その作り置きの味噌汁を一口飲んだ父が、
「お母さん、これ飲んでごらんよ。これが味噌汁だよ」
といたく感服してる。私には、ちょっと煮詰まってしょっぱく感じるのだが…
「うちの味噌汁なんて、しょっぱくて飲めないんだよ」と父。
いったいどういう味噌汁なんだ?
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母はその時だけ不機嫌な顔をするが、栗おこわの栗を一つ食べたら、その会話はもう忘れてしまう。
ちょっと気の毒だったので、食べ終わってから母を外のデッキに連れ出し、オレンジジュースや月餅を食べさせる。
このデッキはいつもいい風が吹き抜ける。
暑くも寒くもないパラソルの下で、母はそんな涼風を全身で受け止めて、とても嬉しそうだ。

家内と父が洗濯機のチラシを見ている。飴やガムじゃないんだから、これ頂戴、はいよ。ってな訳にはいかない。在庫があるか、配送に何日かかるか、配送費や設置費、廃棄費用を考えないと家電は買えない。それに、とにかく設置場所の寸法を測らないと、ご希望の洗濯機が入るか入らないか分からないじゃないの。
で、家内がミニバイクをとばして実家へ寸法を測りに行く。ご苦労なこった。
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その後、はしゃぎまわって午睡に入ったリルを留守番させ、またみんなで電気量販店へ向かう。
何しろ老人二人だから大きなものは要らない。問題は、どうせ配送される日には母が忘れているので、「聞いてない」と業者を追い返すことと、まったく操作ができないという点だ。
操作といっても電源を入れてスタートボタンを押すだけだが、機械が新しくなるとそれがもうできない。
だいたい、洗濯したのを忘れてしまうから、洗濯が終わった物も出さずに毎日どんどんと詰め込んで壊れたわけだ。
これで実家へ行った際の点検項目がまた一つ増えることになるな。

両親を実家に送り届け、家に帰るともう夕方。
こうやって、セーリング日和が消えていくわけだ。



朝から雨が降っていた。
今日はお彼岸で両親と墓参りをするはずだったが、これでは無理だ。午後からにしようと言ってみたものの天気予報では午後も雨マークが並んでいる。昼食をとっても雨はまだ止まない。
「明日の午前中にしよう」そう告げて、さあ何しようと考えた。最近ご無沙汰の接骨院か、はたまたヤブ医者か。って、暇ができたら医者っていうのもなあ…
ここのところ寝不足が続いたせいか、昨日が妙に寒かったせいか、頭が重い。風邪でもひいたか。
こんな日に医者に行ったら何言われるかわからん。やっぱり、医者は体の具合がいい時に行かなくては。

食後にボーっと、ソファで横になっていたら雨が止んだ。それから30分もしないうちに薄日が差してきた。どんどん明るくなって、青空が出てくる。なんだよ~
14時になって決断する。
「そうだ、海に行こう!」
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 きれいに晴れた。

リルとマリーナに着いて、ちょっと見点検を済ませるともう15時近い。艤装の時間がもったいないから機走でトコトコ走り出す。
秋の日は釣瓶落とし、あの猛暑の夏はこんな時間でも太陽がギラギラしていたが、最近は日が傾くのが早い。
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寒かった昨日に比べると、今日は5℃ほど気温が高く27℃。風も微風。
それでも4ノットほどで走っていると、暑さも寒さも感じない。実に心地よい。
暑さ寒さも彼岸まで か。
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 気持ちいいよねえ。

週末とあって、ヨットもボートも結構いるが、この時間だと皆さんボチボチとご帰還あそばされる。
ただ、お仲間というか、いつものメンバーというか、見知った”フワフワ漂流組”が私のあとから続いてくる。
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メンセールだけ揚げてる人や、私のようにただ機走してる人たちは、別になんの目的も目標ももっていない。ゆっくりと、暮れなずんでいく秋空の下で命の洗濯をする。

八景島沖では学生ヨットの練習をしているが、出ているのはほとんど470級。
先週江の島でプレ五輪ともいえるヨットの世界選手権があった。女子470級は銀メダルだったから、触発されたのかもしれない。
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さっきまで雨が降っていたので、遠くは少し靄っている。
三浦や南房総がよく見えないし、その辺はまだ雲が厚い。
しまった、飲み物も食べ物も買ってこなかった。非常食も缶詰があるくらいだ。
リルが膝に顎を乗せてきて、ビッケ頂戴の仕草。
「ごめんな。今日は何もないよ。そろそろ戻るかな」
1時間ほど走ってUターン。
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まあ、夏を含めてあまりエンジンを動かしていなかったから、バッテリー充電には好都合だ。
波も穏やかだし、またつき始めた船底の藻を落とすには丁度いい。
だんだん、日暮れて静かになっていく海をリルと二人でボーっと見ている。
フネは車のように前方ばかり見ているわけじゃない。360度を見回すが、脇見運転とも違う。ヨットは速力がない分、いろんなところを見渡すことができるわけだ。
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キラキラと夕映えが差し込み始めると、海は金色に輝く。
今日は富士のシルエットがきれいだ。
東京湾にほとんどの船影が消えると、すでに17時を回っている。
そんな静寂の中でポンポンとエンジン音を立てながら帰港。
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 お腹すいたよね。

フネ洗いの一つもしたかったけれど、体がだるい。やっぱり風邪か?
どうせ来週も雨続きだからと言い訳してマリーナを出る。
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 そうか、今日は大潮だったんだなあ。

アウトレットの解体が始まって、土曜日と言うのに人もまばら。
ゴールデンレトリバーを連れた白髪の方が、海に向かってフルートを吹いている。
日暮れてもまだ茜色の雲が浮かぶマリーナに、その透き通った音色が優しく響いていた。
こんな風に歳をとれたらいいなあ、と思いつつ家路につく。



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