D旗たなびく

忘却甚だしく、メモ代わりにちょっと書くだけ。 コメントは受け付けていません。

2018年10月

先ほど息子が山形から帰った。一月半の地域実習を終え、土産をたくさん持って帰ってきた。
「服とか、長靴とかはどうした?」
「明日料金着払いで着く」
明日は早速学校に行って、学祭の準備をするらしい。って、誰が着払いを払うのよ。
リルは大喜び、長い間いなかったからすでに死んだと思っていたかもしれない。死者が生き返ったがごとくピョンピョン跳ねていた。
息子の土産には私が今食べられないものもあるが、前回送られたきた農産物やハチミツと違い、力餅や梅紫蘇巻き、リンゴジュースなどの加工食品が多かった。

私は紫蘇があまり好きではない。梅干しもはちみつ漬けしか食べない。小さい頃水戸の親戚で食わされた「水戸の梅」という白あんを赤紫蘇でまいた菓子、あれが元で嫌いになった。酸っぱい葉っぱを食ってるようで子供には美味くない。それをたくさん勧められるから無理矢理食べていたが、おばさんの見えないところでその紫蘇をむしり取り中の白あんだけ食べていた。今、そんなものを食べたらきっとアナフィラキシーを起こすだろう。
「これ、お父さんが嫌いなやつじゃない」と家内。
「それ、お婆ちゃん用」
そうか、母は紫蘇が好きだからなあ。よく覚えていたな。あんなものは食いたいやつが食えばいい。

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その母の様子見をしてから昼下がりにリルとマリーナへ行く。
それにしても、実家の冷蔵庫を見るとがっかりする。細かなことは書くに能わず。まあ、いつもと同じだが、食品廃棄の権化みたいになってきた。リルも無用に廃棄される食品を見て唖然としている。
で、気分転換だ。

ステロイドの軟膏は使いすぎるとよくないが、結局もう一月も使っている。
発疹や湿疹などはほとんどなくなったから、もうやめようと思う。なにしろ副作用が強い。
朝晩塗りたくっているから皮膚呼吸ができないんじゃないかなあ、起きても怠い。
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 今日はおやつ食べるよ。

マリーナでは大型クルーザーが居並ぶポンツーンの改修工事が始まった。豪華なクルーザーが居場所を変更されている。YBM中央がすっぽりなくなった感じだ。この中央部分はアウトレットからも目に入る、いわばYBMの広告塔だから、アウトレットの改修に合わせて工事に入ったのだろう。
そのアウトレットも3階建ての概要が見えてきた。
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 今日はみんないないよ。

本日はマリーナ定休日。今まで火曜のみが定休日だったが、冬季は水曜を含めた連日が定休となるらしい。まあ、静かでいいけど、水曜はどちらにしろボランティア準備で乗れないからなあ。

乗るには遅い時間だが、私はリルとコクピットにいるだけで満足する。
おやつもオニギリだが、キャビンのマットを虫干しと称しベッド代わりにコクピットに敷き、そこに寝そべってユラユラ空を見てるだけで気持ちが落ち着く。
今日はランサムの事を考えていた。
「なぜ本を書く気になったんだろう?」
スリッパのお礼? それは表面的な理由。もちろん大きな動機ではあったろうが、あの時代に親戚でもない子供のためにあれだけの長編を40歳にして書くことはないだろう。それはきっかけにすぎない。
あらためて長考し、自分なりのある結論を得た。それはあの不可解な地図に合致した。
学生だったら一つ一つ検証して論文の一つも出せるなあ。
まあ、そんなことはどうでもいいか。こうやって、何かを考えるのは好きだ。
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 不可侵条約を結ばないと、侵略される。

日が傾くと、せっかく来たのだから何かしようと思い始める。
大雨や台風で流された油分を補うために、シリコンスプレーをブロック類に施す。シリコンやグリスを塗らないとフネも塩害にさらされる。せめて毎月1回くらいはブロック類のメンテをしたい。
マリントイレもきれいにした。トイレの神様が喜んだことだろう。

今日はエンジンすら動かさなかったが、それなりに満足感があった。
痒くもなかったし、発疹も出なかった。へぼな薬よりリラックスが一番だな。







しばらく伏せっていた父だが、メガネが壊れたというので、それじゃあ買いにいかなきゃねと車椅子持参でスーパーのテナントに行く。
昨夜は壊れたと言っていたのに、車に乗ってから「もう直したからメガネはいいよ」と言う。
割と朝令暮改型の人でもある。それでも「靴が欲しい」と言うので近くのスーパーへ。
なんでもいいから、外に出たかったんだろうなあ。
まあ、少しでも歩こうという気があるのだから、それは嬉しい事ではある。が、それなら車椅子に乗ってるなよ~
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あれこれと迷いながら、気に入った”黒”のカジュアルシューズを買い、ついでにメガネ屋による。
「メガネのクリーニングをしましょうか」という店員に、父はどこをどう直したか分からないメガネを当たり前のように差し出す。
待っている間、あれを見たいこれを見たいと言うので、狭い通路の中を謝りながら押して歩く。
父は毎年のようにメガネを買う。買うたびに何かが違うらしく、しっくりこないという。
検眼の時に適当に答えてるんじゃないのかなあ。メガネで裸眼並みに見ようとすること自体間違いがある。
クリーニングを終えて出てきた店員が、
「メガネには接着剤を使わないでください。それをとる方が難しいですから」と一言。
接着剤!何やってんだか。

リルはここのところよく寝る。年を取ってきたからではなく、私の体調を気遣ってのこと。
一体いつ治るやら。
ただ、今回処方された薬は痒み止め効果は抜群で、尚且つあまり眠くならない。
ヤブ医者の薬もそうだが、私の飲む薬には「怠くなる」とか「眠気が出る」とかという注意書きが書いてある。その怠い、眠いの薬をシェイクして飲むわけだから相乗効果で余計眠い。
「運転するな」とも書かれており、これじゃあどこにも行けない。
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 散歩はできるんだよ。

出かけても食事に困るので、最近は”恍惚の人”に近い。
いやいや、自分の両親のような老境にはまだ達していないぞと、時々思い立ったように公園に行く。
横浜には公園がたくさんある。丘の上には必ず大きな公園がある。
いつの間にか公園巡りが日課になった。
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 誰もいないから走っていい?

今日も家から少し離れた公園にリルと行く。
陸は微風で少し汗ばむくらいだが、海の方は風が強い。海自体が見える訳じゃない、海の方角にある煙突の煙や、雲の形、風向きでだいたいわかる。
で、ギャンギャン吠えて喜ぶリルとさんざん歩き回る。歩きまわると痒くなる。痒くなると家に帰る。
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 オニギリ持ってきた?

ろくなものを食べておらず、毎日たくさん歩くものだから体重が2kg減った。
食欲の秋だと言うのにこの情けなさはなんだ?
早く治して、暴飲暴食したい。
って、オマエ何嬉しそうな顔してるんだよ。



本日、薬切れのため皮膚科に行く。
絶えず痒いと言うわけではないのだが、痒くなりはじめるとなかなか治まらない。昨夜もそんな感じで寝るのに苦労する。
家内は持ち前の花粉症(?)で就寝中に突如咳き込んだりしてるので、その都度起こされる。隔離病棟にしたい。
で、今日は遅く起きた。家内はとっくに仕事へ行き、まんじりともせずボヤーっと食卓に行く。朝食ったって、食えるものは決まっているから、なんの期待感もない。いい加減納豆も飽きた。
いつもならリルがおはようとすり寄ってくるのだが、今日は妙に静かだなと思ったら、えーっ!
アダチ君の土産のドライフルーツ、”リンゴのはちみつ漬け””の残骸が……
一袋に20片くらい入っていただろうか、昨日封を開けたばかりで、私が2,3片”家内が1片食べただけ。
後は誰かが全部食べて、食いちぎられた包装パックが転がっていた。
現行犯逮捕ではないから、一応容疑者なのだが、状況証拠からいってまず間違いない。
「オマエ、食べたな」
容疑者は部屋の隅に逃げ、ばつの悪そうな顔をしてうなだれている。情状の余地はある。
無言で窓を開けると、ひょこひょことデッキに出て行った。
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 だんな、すいません。ちょっとした出来心で…

困ったことに、床がべたべたするだけではなく、このドライフルーツはラム酒入り。
まあ、アダチ君の土産だから”ラム酒”という文字に魅入られたと察するわけだが、アルコール成分は多少あるだろう。
オマエ、飲んだくれの水夫か!
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 へい、ちょっくら足元がおぼつかねえんで…

一応容疑者なので、叱りつけることはしないのだが、ここは自白が必要。
「この袋、破って中のリンゴを食べたのは誰かなあ」と詰問すると、あっさり罪を認めた。
ええい、これまでの悪業の数々まかりならん! 引ったてい!
前科者だけに、猛省を促す。
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あっしが悪うございました。もう金輪際ラム酒入りは食ったりしません。

量が量だけに、また原材料にも問題があるため、しばらく様子を見る。
酔いどれ水夫は留置せずとも、自ら反省し、尚且つ酔いが回って、自席でダウン。
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 やっぱ、まずかったか…

で、やっと皮膚科に行けた。
そろそろ1か月になろうとしてる蕁麻疹だが、原因は不明。
そもそもアレルギー体質ではないから、疲れやストレスが主要因らしい。
アレルギーのアナフィラキシーショックのようなことはないが、レスタミンがそこかしこで蠢く。
痒みを誘発するような外部刺激には、一覧表にあった食材の他カフェイン、香辛料なども含まれる。簡単に言えば食中毒みたいなもんだ。繊細な人だと光や温度、気圧なんかも要因になるらしい。
蕁麻疹もまた7,8割が原因不明なんだそうで、ここのところこの「原因不明」の腰痛や膝痛に悩まされてきているから、そのうちなくなるのだろうけどそれがいつかは分からない。
昨年は眩暈で倒れたし、体質の変化が起きてるのかもしれない。更年期障害か?
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 また薬が変わった。

発疹、湿疹の類はだいぶ解消された。今では頭部や足の甲にでるくらいで、末端にヒスタミン受容体が追い込まれている感じもする。
夕方から夜にかけて活発になるのが痒み。外気に比して体温が上がるからかなあ。
一旦痒みの発作に襲われると掻きむしりたくなる。それを我慢するっていうのは熱湯に入るより辛い。

ボランティアの主宰にそんな話をすると、すでに経験済みで彼女は三日ほどで治ったといい、若い頃悩まされていたというアダチ君は完治するのに3年かかったという。なんの参考にもならん。
分かっているのは一つだけ、まとまに食事ができないということ。
爆弾処理の接続コードを切るような感じで、恐る恐るの食事となる。
今日は昼に鶏肉のフォーとミニサイズのインドカリーのセットを食べたが、フォーはニョクマムという魚醤を使うし、カリーは香辛料の宝庫、ラッシー付きだが乳製品がどこまで許されるか分からない。
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 フォーとミニカリー。

こういうのってさ、余計ストレスたまるよね。
酔いどれ水夫のように、中身気にせずバクバク食べたいよなあ。
リルは夕飯なし!

どうしても治らない蕁麻疹。痒みが抜けないのだ。
そろそろ薬切れになりそうだからと皮膚科に行くも、本日休診日。
まあ、普通の医者はそうだよなあ。二日前はヤブ医者に行ったが、あそこは月曜定休。なんだかんだと10年通っているから月曜定休が普通の感覚になってしまった。
「蕁麻疹が出ました」とヤブ医者に告げると、一瞬えっ?という顔をしたが、皮膚科に行っていると言うと「あ、そう」と安堵した感じ。ますます怪しい。

今日も快晴だが本日休診のショックさめやらず、やたらと痒い。
昨夜のボランティア後、いつもの中華屋さんでサービスしてくれたワンタンスープのせいか?
ワンタンの中身は豚肉だからなあ。などと思いつつも痒いのは家にいても海にいても同じ。オニギリ買ってリルとマリーナへ出かける。
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 オニギリ食べるんだよ。

秋晴れの暖かい昼前だった。キャビンのマットを日干しして、ゴロゴロ日光浴でもするかと思ってたのだけれど、ついつい秋風に誘われて艤装してしまう。
乗れる日に乗らないのはもったいない。
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 またきれいなんだなあ、これが。

東北東の風7~9m/s。白波が立って、のんびりユラユラというわけにはいかない。
2艇ほど昼上がりで帰ってきたけれど、結構デッキが濡れていた。
海上に見えるフネは2艇。それもメインセイルだけの帆走。
リルは覚悟がいるなあ。
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こんな時は三角波でバシャン、バシャンする。
ジブを上げるとけっこうなヒール。リルも慌ててデッキに這い上がってくるが、スプレーが襲ってくる。リルは水が嫌いだ。
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メンシートを送り出して風を逃がし、できるだけヒールを抑える。とてもじゃないが、オニギリ食ってる暇はない。
一人で乗るなら、多少オーバー気味のヒールでも厭わない。なかば垂直に立つような感じで乗っていればいいのだが、リルにはそれは無理。
で、ヒールをある程度一定に保つようにするわけだが、こうなるとメンシートの出し入れが半端ない。
風向からいって、ポート1本になるから、左腕がきつくなってくる。
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 敵艦見ゆ。

濡れるのを覚悟でカッパも着てる。昼下がりは暑く感じる。汗がにじみだすと背中がモゾモゾと痒くなる。
だめだ、こりゃ。
痒さに負けて沖の根浮標でUターン。しかもクローズ。
両手が塞がれて、痒いところに手が届かないどころじゃない。
オイ、背中掻いてくれよ~
役に立たないクルーじゃ話にならぬ。さっさとジブをファーリングして機帆走。
オーパイ任せで片手を確保。
ああ、痒い。
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 一息ついたところ。リルは後ろ向き。

結局、2時間ほどしか乗らずにバースに駆け込んだ。
で、おにぎり。
鮭とか、オカカとか、筋子なんてものはだめ。梅干し、ワサビ海苔、高菜なんてリキのつかないもにしか食べられない。こうなるとバナナがご馳走に見えるな。まあ、半ば薬飲むために食べてるようなものだ。
フネ洗いすると、さすがにちょっと疲れてキャビンで横になる。薬のせいでいつも眠たくなる。アヘンか?

しょうがない、明日また薬もらってこよう。




 

ボランティア教室で担当していたサキさんから、「学園祭に来ますか」と案内が来たのは2週間前。
新宿のデザイン専門学校に通っているから、油彩をたしなむ友人タカハシを誘ってみた。(なにしろこちらは図工2だし)
四ツ谷は母校に近いから、ついでに母校の大学周辺を散歩しようという事になり、昨日久々に電車で東京に行く。
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電車で行くっていうととても簡単なのだが、私の持病からして駅間の長い東海道線や横須賀線は避け、京急の各駅停車やせいぜい京浜東北線。それでも蒲田辺りで一回休憩してたっぷり1時間半かかる。
当然、蕁麻疹の頓服と軟膏持参である。
「なにかあったら、すぐ電車を降りて待ってろよ。俺がそこまで行くから」とタカハシの思いやりに助けられ、なんとか待ち合わせの定刻に四ツ谷駅に着く。今の私にはこの辺が限界だ。
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 7年ぶりの山手線

アダチ君じゃないけど、ここからがチンプンカンプン。スマホのマップを頼りに歩きだすが肝心の目的地がマップに出てこない。いろんなものがありすぎてマップ表示が埋まってしまうわけだ。
もともとサキさんの学校は四ツ谷駅ではなく、新宿と四ツ谷の中間にある。最寄り駅は地下鉄新宿線の曙橋。四ツ谷からだと徒歩でたっぷり30分はかかる。
それは承知で久しぶりに来た四ツ谷界隈をフラフラとタカハシと散策。行きつ戻りつ勘に頼って最寄り駅の曙橋まで40分ほどで到着。学校案内ではここから5分とあるから、住所頼りに歩いていたが、小路にはまって階段上りなどしてるうちにさらに30分かかった。アダチ君を笑えない。
学園祭に行くからとサキさんに気楽にメールしたのが家を出る前だった。
サキさんは台湾から来ていたご両親が16時のフライトで帰るという事で、午後からなら案内できると途中メールが入る。
彼女の友達の徐さんが代わりに案内するとのことだったが、ちょうど私たちが着いた頃、義理堅いというかサキさんは私たちのために忙しい中をわざわざ学校まで出てきてくれた。
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専門学校の学祭に来たのは生まれて初めて。
最近の美術学校は外国人受講者が多い。日本のアニメやゲーム、ファッションなどに惹かれて入学する。彼らは自国の大学を卒業している人が多い。
サキさんも台湾の大学を出て来日し、日本語学校に1年半通いながら日本語習得に専念して、それからこの美術学校に入学した。
多くの日本人学生は高校から入学するから経験や知識には当然差が出る。今や日本のアニメ業界は外国人イラストレーターの助けなしには出来上がらない構図になっている。
高校の教室の片隅で休み時間になると漫画のキャラクターを黙々と描いていた同級生を思い出した。
自分が好きなものを好きな時に描くだけでは、その道で食べていくことはできない。社会的なニーズや期限、質、量をこなせてなんとか入り口に立つことができるという業界だけに、社会性や経済的観念も必要になる。
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 著作権侵害にならないものだけ。

サブカルチャーと言えども、その業界で生活していくのはサラリーマンの比ではない。
私たちの教室に来る留学生の大半が、デザインやイラストを学びたいと言ってくる人たちだ。
彼らが何を目指してくるのか私も勉強になる。
友人タカハシは独学で油彩を描くが、そのタッチと構図、色遣いには独創性があり、沈んだ基調の人物画が多い。こういうデザイン学校ではパステル基調の色遣いがびっくりするほど多彩で、セル画を意識したものが多いからタカハシも随分刺激を受けて、なにかとグッズを買っていた。
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 サキさんから説明を受けるタカハシ。

忙しい中、サキさんは各教室のブースを紹介してくれて、クラスの同級生には
「私の日本語の先生」と私を紹介するので、私はあちこちで「こんにちは」と言って回らなくてはならない。そんな彼女の応対ぶりにタカハシも楽しそうだった。
「来年はアダチ君も一緒に来たいね」とサブカルチャー好きのアダチ君を思い浮かべていた。

サキさんは、この学園祭準備中に両親が来たので、親の要望に沿ってレンタカーを借りて飛騨高山や白川郷まで行き、一昨日戻ってきたばかり。小1時間ほど私たちの相手をしてくれて、急ぎ両親の所へ戻って行った。なんだか急に出てきて悪かったなあ。

タカハシと昼にステーキを食い、地下鉄に乗って母校のある学生街に行く。
校舎自体、昔の面影はなく、むしろ当時から残っているような店や施設を捜すように歩き回った。
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御茶ノ水駅周辺は今も昔も大学だらけだ。大学の学部棟が点在し、学部棟と学部棟の間に他大学の校舎があったりする。まさに日本のカルチェラタン。
その分学生が多いからこの辺りは安い食い物屋と古本屋がごまんとある。その雰囲気だけは変わっていない。
新校舎に建て替えられて10年くらいだろうか、私たちにはまったく馴染みのないタワーマンションのような建物に入ってみる。
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面白くもなんともない。
かつての味のあるドームを擁した本校舎の欠片もなく、無駄に広いエントランスホールには語り合う学生の姿もない。(まあ、日曜だからね)
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 管理窓口か。

かつての正門横は学生運動の檄文やアジびらで埋め尽くされ、ヘルメットをかぶった先輩たちがなにやら声高に叫んでいたが、私たちの時代はその学生運動も下火で少なくとも授業は静かに受けられた。
その代わり学生たちにはもっと活気があった。口論は日常茶飯事で激論に及ぶこともしばしばあった。
口角泡を飛ばして議論した喫茶店や、夢と理想を津々と話したベンチ、タカハシと知り合ってよく通った紅茶店等々、今ではその面影もない場所に幻影を求めて歩き回る。
若かったなあ。

さすがに歩き疲れた15時頃、どこかで一杯飲もうという事になったが、まあ普通に考えると場外馬券売り場があるような場所じゃないから、酒を飲めるような店がまだやってない。
今度は居酒屋探し。へとへとになってやっと見つけたのが古本屋街の裏にあった海鮮居酒屋。オイオイ、蕁麻疹なんだよ~
それでも、なにかつまみの一つもあるだろうと中に入る。
席について安堵し、冷たいビールなどを飲んで学園祭やサキさんの話。
海鮮居酒屋で油淋鶏や鶏の柚子胡椒塩焼きなどを食っているのはこの席だけ。
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 目の毒だから早くその魚食ってくれよ~

東京駅の別れ際にも
「なにかあったら、すぐ電話くれよ。そこまで行くからさ」と言ってくれるタカハシにありがとうの一言。彼の方が圧倒的に帰り道が遠いんだけどなあ。
持つべきものは友だな。

久しぶりにメトロに乗って過去を旅しましたあ。












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