昨日は息子二十歳の誕生日。両親も呼んで我が家でお祝い。
とうとうあいつと一緒に酒を飲むことになった。
日本酒をお猪口で数杯飲んで顔を赤くしてたから、強い方ではないな。血行がよろしい。
酒に溺れる奴は好きじゃないし、酒席で失敗した人をたくさん見てきたからその方が安心だ。
家内が「どんなケーキが食べたい?」と訊いていたが、まさかペコちゃんのショートケーキとは思わなかった。
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なにかの思い入れがあるのか?
でも、それは私が小さい頃から知っている不二家で、勿論私の両親も馴染みの深いものだから、親子三代で食したことになる。
私は同じく不二家のアップルパイに出会うまで、イチゴのショートケーキがこの世で一番美味しいものだと思っていた。

今日はさすがに海に出る。この時季、最高気温15℃はないと出港する気にはなれない。
微風で願ってもないお日和。リルとオニギリ持って出る。
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さすがに師走ともなると出艇数も減るが、暖かいこともあっていつものフリートには数えきれないほどのヨットが。
大半は学生ヨットだが、どうも八景島沖辺りでクルーザーの草レースがある模様。とてもじゃないが、そんな混んだ海ではリルと仲良くオニギリというわけにはいかない。
針路を逆に、ミナト散歩と決め込む。
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海運業に土日はない。
コンテナ船やタグボートが行き交う横浜港はベイブリッジの中に入るまで結構気を遣う。
初めてなんだろうか、セイルを下ろしたヨットが外堤防の港路で観光船をかわしていた。どう入っていいか分からないようで、私が白灯を左に見て入って行くと一緒についてきたが、運悪くでかいコンテナ船が本牧埠頭D突堤から出てきてヴオーンと汽笛を鳴らされたら慌てて白灯の内側に逃げ込んでいた。
そっちの方がかえって危ない。
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  オニギリ食べる?

ベイブリッジを越えると、せいぜいタグボートかシーバスがまばらに通るくらいで、波もなく実に心地よい。
早速リルとオニギリを食べる。
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大桟橋では、最近週末になると「大桟橋マルシェ」なるものを開催してる。
簡単に言えば、屋台が出てテラス席のようにテーブルが並んでいるというイベント。
ちょうどお昼時だったので、リルの鼻はヒクヒク。
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まあね、肉だのチーズの匂いは気になるところ。
あんまり近づいて人が食べてるのを盗み見するのも憚れて、山下公園寄りに回航。
今でこそ、メディアで映し出されるのはMM21のビル群だが、私にはこちらの風景が一番しっくりくる。
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父の若い頃の写真を見たことがある。
モノクロがセピア色になった、小さな写真にはロングコートにシャッポ(帽子)を被った父が海側の鎖柵に片足をかけてちょっと格好が良かった。あれでマシンガンでも持っていたらシシリアンてな感じ。
私も若い頃にそんなポーズをしてみたが、まるで売れない芸人のように貧相だった。

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この時期は一年で最も日暮れが早い。
暖かくポカポカしてるうちにミナトを出る。
このMM21地区の北側(右端)で父は生まれた。昨日も息子に自分の少年時代を語っていたが、一銭だの五厘だのって、あいつは分かってるのか?

横浜港内は帆走が禁じられているが、港路を出れば問題ない。
東南東の微風に乗ってマリーナに向かう。リルはポカポカ陽気で昼寝しっぱなし。
キラキラした海も2時を回ると少し光彩が変わる。
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この脆弱な光こそが冬の海。
もう冬なんだなあ。

バースに戻ってフネ洗いしていたら、キャビンで大人しくしてる筈のリルにイカの燻製を食われた。
谷公からもらったノンアルのビールで喉を潤しながら食べようと思ってたのに…楽しみがなくなったのですぐに帰ることにする。

家に帰ると注文してあったバッテリーが届いていた。
やっぱり、箱を開けたばかりのバッテリーでも70%ほどしか蓄電されていないんだなあ。
安物のバッテリーチャージャーでフル充電。
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今日はまた日本語能力試験の日、フネを走らせながら彼らの合格を金毘羅さんに祈願。
人生の安航を祈る。
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オマエは夕飯、半分な!