歯科医でもらった痛み止めの効果たるや絶大で、うっかりすると歯痛を忘れてしまうほど。薬の効果が切れてきてズッキンズッキンし始めて思い出したりする。
早い話が痛みを止めてるだけでなにも治療していない。
それでも、痛みが薄れるのは嬉しい。
歯痛だけではない。慢性的な腰や肩の痛み、半分あきらめている膝の痛みも薄れる。この5年くらい体のあちこちに痛みがあり、それも仕方ないなと思っていたが、いやいやどうしてこの波及効果は見逃せない。
私の次に喜んでいるのがリル。足腰の痛みで避けていた階段や急坂も散歩コースに入って満足してる。
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 散歩いく?

今日も南風が吹いて13℃ほどになった。
ここは当然マリーナへ。
でも、うっかりクラブハウスの張り紙を忘れていた。
本日はマリーナ定休日、施設管理のため停電に断水。
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 誰もいないよ。

午前中はおとなしかった風も昼を過ぎてから9m/sほどに上がってきた。
ああ、もっと早く来ればよかったなあ。
午前中はマリーナ係留契約の要件であるボート団体保険の更新手続きと振り込みをしていたのだった。
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マリーナ規約で最低1億円の賠償保険に入らなくてはいけない。

まあ、いいや。リルとのんびりしようとマックのテイクアウト。
体に痛みがあると、外にも出たくないからね。っていうか、何にもしたくなくなる。五輪があってよかったという感じ。
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 それ一人で食べるのか。

スローなジャズを聴きながら、コクピットでまったり。
策具がマストをカンカンと叩く音や、ウミネコの声を聞いていると、とても贅沢な時間を過ごしているように思う。
マストに差し込む日差しに春を感じるってわかるかな?
毎年同じバースから眺めていると、陽光の微妙な違いが分かってくる。南風は乾ききった清冽な空気を押しのけて、少し湿り気のあるそれでいて柔らかな陽光を運ぶ。空気中の水分が屈折率を変えるのか、冬の眺めとは異なるのだ。
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まあ、これは感じ方の問題だからね。
とにかくそんなことを含めて、実に穏やかで豊かな時間が白雲とともに流れていくのだ。
とりわけ、エンドウの仕事の愚痴を聞いたばかりだったので、お気楽な感じが何とも言えない。
ホーダララッタ、ホイホイ、と。 これなんだっけ?

その静けさを破ったのは二つ先のバースに戻ってきたボート。
AKBだか乃木坂だか知らないが、アダチ君が喜びそうなアップテンポの曲を大音量で響かせて帰港した。
なんだこの場違いなムードは。
フネが止まっても、マリーナ中に響くような音量で流している。私にはどれもこれも同じに聞こえる。つまり、暴走族なみにうるさい。近所迷惑なのだ。リルもキョトンとしてずーっと見ている。
やかましい!と独り言ちたようにたしなめると、えっ人がいるの?とようやく視認し少し静かになり、それから3分おきにボリュウムが下がっていく。
四十台半ばのこの人物、分別は持ち合わせているようだ。音楽の趣味がよくないだけか。
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 怒られてるのかなあ?

風が強くなってきたのでキャビンに入り、ランサムの本をペラペラと斜め読みする。これもまた楽しみの一つ。
だが、この時気が付いた。痛み止めと抗生物質を忘れたことを。
時はすでに3時を回っている。いかん、いかん、地上で生きられるのはあとわずか。胸の点滅が速くなる。
穏やかな時間が暗転、シャブ中患者のように薬を求めて家路を急ぐ。
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 まだ、ちゃんと散歩してないよ。

春風も 痛みに圧されて 引き返す

案の定、車の中で痛みはじめて、最後はおもらししそうな少年のように玄関に駆け込んだ。
家にも上げず玄関に置き去りになったリルのために、それからちょっとだけ散歩。
明日は歯医者。抜歯されてもボランティアはある。