D旗たなびく

忘却甚だしく、メモ代わりにちょっと書くだけ。 コメントは受け付けていません。

カテゴリ:ヨット > メンテ

昨日二日目の船底塗装は午後から大雨になるとのことで、朝一番にエンドウへ連絡し「中止」の旨を伝えた。エンドウはいつもバイクで来るから、こちらの都合で手伝ってもらって雨の中を帰らせるのは申し訳ない。
塗装はできないにしても、ハル磨きくらいはできそうだから家内と二人で行く。
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いつもならエンドウの職人技、鏡面仕上げのパフ掛けも今回は二人の手作業。
空手の「ベストキッズ」じゃないけれど、両手でワックス掛けと拭き取りをしていく。危なっかしくも揺れる脚立を登ったり下りたりして少しずつ移動していくから時間がかかる。ついでにパルピットも磨く。終わる頃には肩が痛い。(ただでさえ上にあげると痛いんだが)
で、3時頃から雨になり、夜には洪水警報が出るくらい降った。

今日は一人作業。晴天、最高気温26℃。暑い!
昨夜の激しい雨は、せっかく塗った船底に雨だれの跡を残していた。
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で、最初から塗りなおし。ペラで楽した分作業量が増えた。こんなもんだ。
幸か不幸か、やたらと暑い。これなら下架までに乾くだろう。
あとは黙々と塗るだけ、なんだが…
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 不織布は風を通さないので着てるだけで暑い。

ここのところ、みんなに塗装をしてもらっていたから、塗料のローラー掛けは久しぶり。
いやあ、よくよく見ると滅茶苦茶な塗布だな、こりゃ。
ローラー掛けは一定方向に流れるように塗るのだが、最初に浸み込ませた塗料をグシャっと置くとそこだけ盛り上がる。また、少しづつ力を入れていかないと、最後の方はかすれる。かすれるからまたグシャっとつぎ足せば、濃淡で段々になってしまう。しかも、ローラーの方向が一定していないので、山あり谷ありだ。そういえばみんなの不織布作業着、飛沫だらけだった。愚息にいたっては顔が青い天然痘のようだったな。まあ、お祭りみたいなもんだからな。
かくなる上はスクレーパーで主だったところを削るしかない。
削るのも塗るのもほとんど頭の上なので、いい加減首が痛くなる。
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 なんとかこの程度に。

最期にマスキングテープを外す。これがなんとも心地いい。汗水垂らした甲斐がある。
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片付けも終わって、後は下架を待つのみ。
使い捨てゴム手袋はいつの間にか穴が開いており、なんの効果もなく、シンナーで手を洗うも爪先のブルーはドラキュラがごとく。だいたい、着てるものが作業着だからまともなレストランには入りにくい。だからいつもマックになるのだが、いい加減飽きてきた。
Pier1のアウトサイドで食事。
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ここで食事するときはいつもリルが一緒だから、留守番させてきたリルのことが気にかかる。
昨日は息子と実家に薬を届けに行ったりしていたが、この三日遊んでやれなかった。早く帰って散歩に行こう。

クレーンで吊り上げて船台部分に残る未塗装部分を塗って塗装作業は終了。下架13:30.
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  下架。

この半日、やたらと急いで作業していたので、自バースに戻ったらグーの音も出ない。
だが、これで終わりじゃない。ヤードの作業で汚くなったデッキを洗わなければならない。ヤードを歩くだけでも靴底に塗料やオイル等が付く。作業中もフネに上ったりするからコクピットやデッキは足跡だらけになる。
フネ洗いを終えて一服。やっと水に戻されたJOLLYHOT が嬉しそうにユラユラしているので、しばしキャビンでくつろぐ。
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って、この時点で3時。早く帰らなきゃ。リルが待ってる。
こんな日に限ってセーリング日和。なんか恨めしい。
当たらない天気予報によれば今週は強風と雨が続くことになっている。
車にワックスを掛けると三日以内に雨が降るという雨男の本領発揮か。
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春の船底塗装、終了。
みんな、お疲れ様でした。
 

始まりました。春の恒例(高齢)行事、船底塗装。
本日より三日間でやりきる。
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我が家の家族イベントとして位置づいているこの船底塗装。
普段は海に行くのを嫌がる家内も、春秋のこのイベントには必ず参加。家族で行うのを基本としている。今日は助っ人に友人タカハシがわざわざ茨城から電車に乗って駆け付けてくれた。
みんなでワイワイやって、終わったら一杯飲むという、数少ない飲酒の機会でもある。

上架して半年ぶりに見る船底は、苔のようなものがくっついているだけでイソギンチャクやフジツボなどの貝類はほとんど付着なし。やっぱりこまめにやるべきだと実感。
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全体が苔で黒ずんでいるけれど、こうした水苔は高圧洗浄機で弾き飛ばせば簡単に取れる。
毎回こんな感じで、ゴシゴシとスクレーパーを動かすことはない。


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 高圧洗浄機を使うタカハシ

高圧洗浄が終わると、なんだかもう下架してもいいくらいになるが、問題はプロペラ。
船底が海洋生物の巣になって、”カキ”やムール貝(和名では修理貝という)の巣になっていたとしても、それで沈んだりはしないが、ペラに付着するとシャフトの回転に偏りが出たり、海洋生物の付着で回転数が落ちてオーバーヒートする可能性がある。
ペラだけは私の専務事項となっている。
が、
あまりにきれいなのでびっくり。
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なんだか昨日塗布したような状態。これだけきれいだとこの皮膜を全部取るのにはかなり労力を要する。
むー、どんなもんかなあ。
一応メンテスタッフに診てもらうと、
「これは、まったく問題ありませんね。半年後にまた塗装するなら十分耐えうると思います」
というお墨付きをもらったので、最低二日がかりのペラ剥離塗装がなくなった。ペラクリンの塗装費も浮いて一石二鳥。
ジンクも減りが少なかったが、これだけは一応交換。

息子と高橋はハルの汚れ落とし、家内はキャビンのシートやマットの洗濯、これはもう何も言わずとも各々が役割を分かっているので私の出番がない。
しょうがないので、船底の塗装ムラをサンダーで削っていた。
船底は何度も上塗りしているので、凸凹したところがどうしても出来てしまう。古い塗装の上に塗っているから厚化粧もいいところだ。
これを全剥離するにはどうしたらいいかをハーバー課長に訊いた。
「ノミですね」
「ノミって、あの木に穴をあけるノミですか?」
「少し歯が広めのものを一人三本ぐらい用意して、10人くらいの人海戦術でやれば十日間くらいで終わるんじゃないでしょうか。そこまで体力が持てばですけど」
えーっ! 延べ百人かよ。なにも島にこもった逃走犯を捜そうってわけじゃないんだよ。
「剥離剤はだめですか?」
「一番上の塗装だけを取るにはいいですけど、その下までは効果がないので結局むだになります」
やーめた。
毎回ボロボロと落ちる旧塗装が気になっていたけど、こまめにスクレーパーやサンダーで落とした方がいいや。

昼はマック。実は昨日もフネに来て下準備していたが、お昼はマック。いい加減飽きてきた。
たっぷり昼休憩をとって午後から塗装。
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ローラーが3人分しかなかったので、私は塗料の補充係。まあ小姑のように、ここがまだダメとか、厚すぎるとか言って回っていただけ。私は三日間やることになるので、本日は楽をさせてもらった。
っていうか、みんなが坦々と作業をこなしていて、入り込めなかった。
塗ってしまえば乾くのを待つだけ。本日はこれにて終了。
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4時には家に帰って、高橋の解説でベイスターズ戦のテレビ観戦。
この時グッドタイミングでアダチ君から電話が。
亡き友人ノブシロの墓参りに行ってくれた小名浜からだった。家にいたのは30分ほどだったから、こりゃあ天の引き合わせ。ほぼ2年ぶりとなるアダチ君とタカハシの会話。

5時には居酒屋でビールを飲んでいた。イサキの刺身うまかったあ。
初日、楽して終了。



床屋に行ったり、買い物をしたり、洗車&ワックスなどをしていたら少し間が空いてしまった。
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 出ちゃいけないんだよ。

この三日ほど好天に恵まれたが、風だけはやたらと強く、その分帆走の諦めもついたが、昨日だけは穏やかなお日和だっただけにマリーナに行きたかった。
まあ、実家のこともあるけれど、前回メンテで元の木阿弥になったインペラからの漏水もある。とにかくまずは修理をしないとどうにもならない。
で、エンジンジンク(防食亜鉛)の交換も一緒にインペラパッキンの交換をすることにし、今日は早めにマリーナへ。
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 今日も頑張るぞ! オーッ!

前回最悪の結果になったインペラパッキン。ひらひらと落ちて汚水にはまり、取り出そうとして折り曲げてしまった。苦肉の策で目地補修用のシリコンを塗ってきたが…
で、真っ先にエンジンを回してみると_ む?全然漏れてこない。
なんだ? 海水ポンプが異常か?
スタンに回って排水を見る。
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 まったく異常なし。

30分ほど少し回転を上げて様子を見たが、
一滴も落ちてこない!
作戦成功か。

で、今日のメイン手なんす。ジンク交換。
さすがに4回目となると、要領がよくなっているから、少し順を追ってどんな作業か紹介してみよう。
興味ない人はここから先は読むに及ばず。

まず用意するもの。
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 1GMのジンク三点セット。

右にあるのはホームセンターで仕入れた「杭」。この木の棒が命運を分ける。
道具としては10ミリ、12ミリ径のラチェットレンチやメガネレンチ等。あと、錆取りね。
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できるだけ小さいものを使う。左のラチェットレンチは10と12㎜径の優れもの。

では手順。
①オルタネーターを外す。
 2本のボルトを抜くだけだが、結構きつく締めてあるので一番力を入れるところ。
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右下から緩める。力はいるけれど、このエンジンではレンチがちゃんと使える一番楽な作業。
オルタネーターの重みで、抜けにくいが最後までボルト・ナット(径12mm)を回し続ける。
私の場合、件の「杭」をテコにしてオルタネーターがすぐ下に落ち込まないように支える。これが一番早くて楽。
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同様に左上のボルトを外す。こちらのボルトは細長い。左右でナット位置が逆だが、構造上そうならざるを得ない。
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 左上のボルト。ボルトを回すだけでも十分とれるがナットが最後落ちないように。

ボルトを外すと当然オルタネーターが外れる。Vベルトも外し、本体は電気コードが付いているので作業の邪魔にならないように右側に捨て置く。
この時、Vベルトを確認。亀裂や傷がないかを確かめる。
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 250時間で替えろとなっているVベルト。私は2年に1度の定期交換。

②ジンクを取り出す
 本来ならオルタネーターを外さないでジンク交換したいところ。でも、オルタネーターの陰に隠れているから大人の手では無理。この厄介者のオルタネーターを外すと否が応でも目立つ楕円の金属カバー。ネジが3本ついている。
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 だいたい塩の結晶が付いている。

このジンクカバーの両サイドのネジ(径10mm)を回してカバーごと取り外す。
真ん中のネジにはジンクが付いているので、そのままにしておく。これを回すとジンクがの残骸がエンジン内に落ちる。
ジンクは脆いのでジンクカバーを外すときはそっと。
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 カバーを取ったところ。

ジンクを取り外した後は、固着したパッキンを剥がし、ジンク穴周辺の汚れを取る。固まった塩はお湯を使うとあっさりとれる。それでもだめならヤスリを使う。
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 パッキン(ガスケット)を外す。

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 左は新品の防食亜鉛。これでもまだ形が残っているほうだ。

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一応半分くらいになったら交換ということになっている。いつ点検するんだ?

カバーと一体になったジンクを回し抜く。手元で作業できることが嬉しい。

③ジンクをセットする。
 これからは逆順。ジンクにゴムパッキンをつけてカバーに差仕入れるところから始まるわけだが、見逃しちゃいけないことがある。
ナットやボルトの錆取り。
錆取り剤を塗布し、しばらく待ってからウェスで拭くと蘇る。ナットは角が摩耗してることが多く、せめて3回に一度くらいは新しいものに交換したい。
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で、後は元に戻すだけ。
③オルターネーターを取り付け、Vベルトをセットする。
 オルターネーターの取り付けまでは難しくない。問題はVベルトの張り。
下のように最後のボルトナットをつける前にVベルトをプーリーに差し入れる。
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この状態から渋いオルタネーターのボルト・ナットを軽く締め、オルタネーターを持ち上げてVベルトをピンと張らなければならない。ベルトのたわみは1cm以下に抑える。
で、また「杭」の登場。
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ジンクの下の下の方に杭をあてがい(杭なので先が尖っている)、テコの応用でオルタネーターを持ち上げつつ、ボルトを回す。
あれこれ試した結果、私の場合次のような状態が一番楽に取り付けられることが分かった。
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自撮りしてるから変な感じだが、当然右利きの私は右手でレンチを回す。まあ、簡単に言えば肩で「杭」を担ぎながらボルトを回すわけだ。

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 で、終了。

ここで試しにエンジン始動。15分ほど様子を見る。たわみなし。水漏れ等なし。よっしゃ、OK!
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  リルは何故か興味深そうに黙って見てる。

最初ジンクを交換したときは3時間くらいかかった。翌年2時間。去年は1時間ほど。
道具もそろって要領を得た今年は40分弱。習うより慣れろっていう感じだ。
インペラといい、ジンクといい、予定したメンテが早く終わってしまったので、お利口さんだったリルの散歩がてらマックで昼食。
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   バンズからはみ出たチーズを狙っている。

午後からフネに戻って、本当にインペラ周辺から水漏れがないかを確かめる。(にわかには信じがたい)
30分ほどエンジンを回してみたが水のみの字も漏ってこない。
Vベルトの様子も見る必要があるから取り敢えずマリーナ内を試走(機走)。
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なにしろ図工2だから、自分の腕に自信がない。
だいたい早く終わりすぎだ。
今日はマリーナも定休でスタッフもいないから、いざとなったら拡声器で助けを呼ぶしかない。
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でも、オイル交換もしたし、エンジン音はいたって好調だし、排水もしっかりできてるし、なにより快晴、弱風、波少なしで、お昼も食べたしね。
で、結局マリーナを出て根岸沖へ。
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 ヨットは皆無。独り占め気分。

今日は最高気温19℃。陸でもそうだが、このくらいが一番気持ちいい。
本牧沖までぐるっと機走を楽しむ。
フネは浮いて走ってなんぼやなあ。
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 なんか眠くなってくるよ。

小1時間ほど試走してバースに戻り、エンジンルームを点検。
一滴の水も認めず。

腰が痛いから帰るかあ。
足漕ぎクルーザーでもいいんだけどなあ。





昨4月2日は両親の誕生日だった。昼間からケーキを買って祝いに行く。
二人とも同じ誕生日。婚姻届けを出すとき初めて気が付いたという。
「なんでこの人は私の誕生日を書いてるのだろうかと思った」とは母の弁。
父94歳、母は85歳になった。

叔父の死は父に寂寞とした孤独感をもたらしている。無言で折り紙をしているその縮こまった背中がすべてを語っていた。
0戦乗りだった父の長兄は南方で撃墜死している。次男は夭折、なので父には祖父の一字にサブローの名がついている。
多くの戦友や幼馴染を戦争で失い、友人や仕事仲間もすでにこの世にはなく、毎年出す年賀はがきは2枚のみだ。その二人すら、生きて二度と会うことはないだろうと言っている。
自分だけが生き残っていることの寂しさは、「死んでいった者の分まで生きる」と誓った終戦の日の決意を揺らがせている。
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それでも叔父が生きていることは、言葉には出さねど長年にわたる一つの支えだったことは間違いない。
誕生日のケーキを喜んでいる母の横で、自分と叔父の一生を反芻しているかのように、少し口に運んではなにか一言感想を述べ、そしてまた沈黙する。

そんな父に終戦後の話をせがむ。
ぽつりぽつりと話し始める父の頭にはきっとその当時の記憶が天然色フィルムとして蘇るのだろう、たまに止まってはその時の匂いさえも思い出そうとしているようだ。

復員後、GHQの下請けで人夫をしていたという。砲兵だった父にはそれしか仕事がなかったらしい。傷痍軍人などもいたが彼らは軽作業に回され、体が丈夫なものはトラックへの荷積み作業。一袋50kgの麻袋を日がな一日運び続け、15円の給金をもらっていた。荷物チェックの軽作業者も同額だったらしい。
当時の15円がどのくらいの価値かは分からないが、他の日雇い労働よりはかなり厚遇だったそうだ。
が、仕事が毎日あるわけはなく、平均で週に3,4日というところ。
当時22歳の父は生きていくためとはいえ、やはり少し前まで敵だった米軍にこき使われるのは屈辱だったという。荒廃した中でも、将来を見据え、きちんとした日本の会社で定職に就きたいと思っていた。
1年ほどその仕事を続けたのち、唐突に解雇され、町工場や建設作業の臨工いわゆる”土方”を転々とする。給金はGHQの半分だったという。
ある日、あばら家を訪ねてきた戦友の紹介で鉄工所の臨工となるが、きちんと給料が出ていたのは最初の三か月で、あとは遅れ遅れとなり、昭和23年から24年にかけてはほとんど給料が出ずただ働き同然。仕事前に海に行ってワタリガニを獲り、仕事が終わると近所の木工所を手伝って、わずかな謝礼をもらって一家を支えていた。
極貧の生活の中で祖母が本当に苦労したという。家財道具は無論こと、残ったぼろ切れみたいな着物も売りつくし、あちこちの店から「つけ」でどうでもいいような腐りかけの野菜や切り落とした魚の頭を買ったりし、くず鉄を拾ってはわずかな日銭を稼いだ。そうやって、その日のその日の飯にありついた。
多少の差はあっても皆同じような生活をしていたのだという。
そんな中で叔父が昭和石油の職を拾ってきたのだった。臨時工とはいえ、GHQの日払いを上回る賃金がもらえ、翌昭和25年になると正規採用となり、朝鮮戦争が勃発すると給料も一気に引きあがった。
父が極貧の生活から脱しえたのは、叔父の”土下座”までして頼み込んだ口利きによるところが大きい。
20年一緒に働いたが、外資のシェル石油と合併することになって、叔父はどうしてもそれが認められなかったらしい。軍国少年だった叔父は長兄の命を奪った国の企業を受け入れられなかったのだという。戦地に行けなかった叔父はずっと戦後を引きづった。

とまあ、つらつらと話を聞いてきたわけだ。
で、その息子はというと、父や叔父や祖母の苦労を尻目に、闇市に入り浸っては訳の分からぬ酒を飲んでフラフラと花札賭博に興じていた祖父とあまり変わらないわけで、隔世遺伝という感じか。
まあ、当時75歳前後で老境の域。道具もなく材もない宮大工なんてなんの役にも立たないと感じたのかもしれない。戦争で亡くなった長兄を跡継ぎにしようと考えていたのかもしれない。
すべてを失って、1から出直すには年を取りすぎていたのだろう。そんな同情も父の話からは感じられた。
息子にはできるだけ父に似てほしい。

血のつながりがあるかのごとく私に似たリルと午後からマリーナへ。
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 久しぶりのフィッシュ&チップス。

父のことをあれこれ考えているとこちらまで辛くなるから、今日は先日の続きでインペラ交換。
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  ヤンマー1GMのインペラ。

インペラシャフトを外すのは面倒だからと、インペラカバーのみはずして付け替えることにする。
なにしろエンジンルームは狭い。それに揺れるし。
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3か所ねじ止めされているカバーだが、やはり1か所だけ回しにくい。普通のメガネレンチだと回す余地がない。径7mmだからネジ頭が小さい。
設計者を罵倒しながら、なんとか取り去る間、リルは自分が叱られていると思って神妙。
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 傷だらけのインペラ。

インペラを取り付けるのも結構難しい。全羽根を無理矢理左に曲げてシャフトにねじ込む。絶対に片手ではできないくらい窮屈な装着で、グリスも塗ってあるから滑るったらありゃしない。
ただ付け替えるだけで、口ではいかにも簡単そうに言えるけれど、こいつだけはやったものしか分からない苦しみがある。
作業が終わって、カバーをつけようとしたとき、ひらひらとパッキンシールが落ちてエンジン下の水だまりに落ちた。
水だまりは塩水とほこり、グリスと若干のオイルで構成されている。いわば不純物の混合液。
ティッシュで拭いてみたが、やーな予感がする。

作業を終えて、エンジンをかけると案の定冷却水がカバーの隙間から漏れ始める。
おいおい、勘弁してくれよ。交換する前の方がいいじゃないの。
で、今度は手抜きせず前回同様アッセンブリから取り外す。今度は念には念を入れて薄っぺらいシールを拭きまくる。(だいたいシールって1回はがれるとちゃんと付かないんだよね)
結局トータル3時間以上かかって、作業終了。
で、エンジンを回してみると…

うへ、だめだこりゃ。

夕暮れになってきたので、とりあえずシリコンをカバーの周りに塗って出てきた。
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  散歩する?

来月ジンク交換するときに新しいのをつけなおそう。
元の木阿弥、徒労で終わる。
図工2の本領発揮だが、これはいったい誰からの授かりものだ。




インペラ(海水ポンプ)辺りから水が滴るのが気になっていた。
2年ほどいじってない箇所だから、是非もない。
猿島行ったり、花見に行ったりした後にエンジンルームを見るにつけ、漏水量が多くなってきたように感じるのだった。
インペラのアッセンブリにはいくつかの水漏れ防止用の消耗品がある。
一昨日、八景島でオニギリ食べてるときに思い出し、海王さんにインペラシャフトのOリングなどを頼んでおいた。
その入荷連絡があったのが本日。実家で昼食を作っているときだった。
今日やれるものは今日やる。
せっかく作ったカニチャーハンを食べずに、リルとマリーナへ向かう。
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 どうせマック食べるんだよ。

インペラはともかく、その周辺の消耗品には疎いので、海王さんに簡単な説明を受ける。
「そこを自分で付け替える人は少ないです。もう、プロに近いですね」
とかなんとか、豚もおだてりゃ木に登る。
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 消耗品4点セット。右がインペラパッキン。

まあ、アセンブリを外して取り替えるだけなんだが、そう簡単な場所ではない。
ただでさえきっちりと締めてあるあるのに、塩の結晶で固着してるネジはなかなか抜けるものじゃない。それにエンジン下部は狭く、三角形のアッセンブリの一角が、どうしても普通のレンチやスパナでは回せない。ましてや肩を痛めているので非力も非力。
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 冷却水ホースを抜いたところ。基部のネジは10mm。

一番邪魔なのがオイルエレメント。これを先に抜いたほうが早いが、抜くとオイルがゴボッとこぼれる。予備のオイルはもうないしなあ。
オイル交換したときにやればよかった。

私がウンウン唸って、独り言ちているのでリルは大人しく様子を窺っている。
こういう時、遊んで遊んでと騒ぐと思い切り一喝されるのは自明の理。あんまり静かなので、こちらの方が気になる。
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 やっと取れたアッセンブリ。黒い部分がOリング。

お次はインペラカバーを外す。こちらも3か所で径7mmのネジ。こちらは難なく開く。
真ん中のシャフトを外してドーナツ型のリングを差し込み、Oリングも付け替える。
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  反対側。インペラも外したところ。

どうもこの形を見ると「バックトゥーザフューチャー」が思い浮かぶ。
カバーについたパッキンの残骸や緑青をヤスリで剥がし、あとは元に戻すだけ。
インペラは左回りになるように入れるが、この時羽根の部分に(上下も)グリスを塗り付ける。
なので、この後はとてもじゃないがスマホカメラなどいじれない。

インペラにグリスを塗っているとき気が付いてしまった。
え~っ、羽根に傷がある!
稚貝でも入り込んだのか、すべての羽根に縦の傷が入っていた。裂けたり穴が開いたりしてはいないが、近い将来そういう状況になる。この羽根が高速回転することで船底から冷却水となる海水を吸い上げるわけで、これが作動しなくなると確実にエンジンが焼き付く。
海王さんに在庫があるかどうかを電話で問い合わせたが、本人は忙しいらしく電話に出ない。
しょうがない、このままインオペ。って、簡単じゃないんだけどね。
でも、また這いつくばってやるのかあ。
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 なんか悔しいぞ。
 
帰りが5時近かったので、海王さんの店に寄る。閉店間際ならいるだろう。
少なくともインペラを取り寄せてもらうしかない。ヤンマーの営業所はもう閉店してるし、週末は休みだからなあ。
で、海王さんはいた。

「あ、インペラなら在庫ありますよ」

って、もっと早く言ってよ~



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