D旗たなびく

忘却甚だしく、メモ代わりにちょっと書くだけ。 コメントは受け付けていません。

カテゴリ: ランサム

昨日ボランティアの後、いつもの中華屋さんで長話されて、いつもより帰りが遅かった。
普段それほど他人と話さない生活だが、水曜日は一週間分口を動かしている感じになる。
在留外国人も今は引っ越しシーズンで、この数週は誰かが引っ越していく。東京の専門学校や、仕事場の変更、もちろん帰国組もいる。
私が担当している中国人の宋さんも、ご主人の都合で今週末に東京へ引っ越す。それから数日後に湖北省荊州に一時帰国し連休明けに戻るという。
凡そ、日本に来ている外国人は日本人と比較にならないくらいあちこちに出かける。私たちが週末は家でゆっくりしたいというと、むしろ怪訝な顔をする。まあ、私も外国に行けば同じような感じだったから、分からなくもない。

宋さんは一時帰国し、東京に移り住んでも私たちのところで勉強したいという。
往復の電車賃や移動時間を考えると無理があるようにも思う。大概は引っ越し先の街に同じようなボランティアがないか調べてあげるのが通常。それでも、そういってくれることに心から感謝する。
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午前中こまごまとした用事を済ませ、昼頃家を脱出。
今日は26℃にもなるという。そろそろ冬物をしまわないとなあ。
途中で弁当を買ってマリーナへ。
黄旗が揚がっているは、風が強いから気をつけろの意。私は端から乗ろうという気がない。
深夜ご帰宅の息子のせいでリルも私も寝不足気味。今日はゆっくり休養したい。たまにはボケーっとする安息日も必要だ。
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 気持ちいい天気だね。

とにかくはコクピットで昼食。
今日のマリーナにはたくさんのオーナーが来ていた。だいたい気温が20℃を越え始めると冬眠していたオーナーたちが活動を開始する。
多くはメンテで、風が強いから出ていく人は皆無だ。それでも、あちこちのバースに人が動く姿を見ると、いよいよ本格的なシーズン到来という感じがする。
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  マット類の天日干し。

キャビンのマットやシートを乾しながら、その上に横になる。インストルメンタルの軽い音楽を聴きながら、自由にいろんなことを考える。
「思索」などという大そうなものではない。思い浮かぶものを一つ一つ考える。思いつくまま対処方法や前後策を練る。或いは筋道を立てていく。こんなことが私には必要だ。
それにしても実に気持ちがいい天気とフネの揺れ。
リルは私の横で惰眠を貪っている。その安心しきって寝ている姿も愛おしい。
そのうち私も眠くなる…
が、それもまたもったいない。寝るだけなら家にいてもできる。
こんなすがすがしい陽気なのだ。
で、書棚から一冊の本を取り出す。
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 「ツバメの谷」

この本を最初に読んだ頃のことが蘇る。
小学校6年生だった。
本を読む前から走馬灯のようにその頃のことが浮かんでくる。
この本を買った時の感動も、ワクワクして表紙を開いた時のことも。
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あれから50年。
長い年月を経てきたと思う。
でも、あまり成長してないな。未だワクワクして読んでるからなあ。







教授”ことナオト氏が愛犬ロジャ君追悼のスピーカーを自作したので、必要なくなったJBLのスピーカーを処分したいと言う。
痩せても枯れてもJBL。その音質の柔らかさはすでに何度も訪れて聴いている。愚息にどうかというので、いやそれは私がもらうと本日、秋谷の工房までリルと出向く。
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   教授自作のスピーカー

私が出かける時はいつも雨天だが、雨が嫌いなリルにはある意味丁度いい。
愛犬を亡くして早や一月の教授に、愛想振りまいてこい!

家にあるお菓子を袋に詰めてリルの気を引き引き横横道路を南下。家を出てすぐに雨が上がり、こいつは少しいい気配。
約束の時間の少し前に着いたが、ノッカーをバチンバチンと叩いても応答なし。名前を呼んでも返答なし。どこかにちょっと出かけているのだろうと近くの公園をリルと散歩する。
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  雨降ってないんだよ。

ひとしきり遊んでやって戻るがまだ応答なし。
ドアノブをひねってみると鍵もかかってないから、余計慌てた。
風呂場で倒れてんじゃないの?
勝手に中に入ると窓まで開いてる。風呂場を覗くが誰もいない。こりゃあ密室殺人にはならんわな。
ドアに戻ると内側に張り紙がしてあった。
「下の工房にいます」
って、宮沢賢治じゃないんだからね。

教授は工房で新しいスピーカーの作成をしており、電動工具を使っているので耳栓をしていた。

リルはこのお宅に何度も来ているのですっかり慣れている。
愛犬家の教授だから、リビングの床も滑らない。持ってきたボールでリルと遊ぶ。(本人は雨天練習場だと思っている)
教授にもコーンで遊んでもらって、この表情。
onsofa
 ここ好き。

教授お手製の”ボソボソ”のスコーン(これ英国風)にクローデットクリームとブルーベリージャムを塗りつけて、お決まりのランサム談話。
私の友人の中で、カンブリアやノーフォークの事を共通話題にできるのは教授しかいない。ましてやそこにランサムが絡む話となると周囲には誰もいない。
程度の差はあれど、ランサムと英国と少年時代からの夢を話せるのは教授をおいて他にはないから、だんだんディープになっていく。これがまた楽しい。
教授はブライトン近郊の大学にに1年間在職留学しているので、私なんぞよりよほど多くの事を知っている。その1年の間にランサムの関連の資料をかき集めていたわけだ。
ただノーフォークの風車については御存じなかった。英国に風車があることが意外のようだった。
ヤーマス近郊
   車窓からの唯一の1枚。(フィルム切れになった)

ランサムの話も面白い。私の稚拙な疑問と推論に”教授”らしい答えを出してくる。
こうなるとなかなか話が止まらない。
教授が調理したタコスを食べながら、ずっとそんな話をしている。(リルは話よりも誰かが何かをこぼさないかとずーっとお座りして見守っている)
pias
 なんかくれるのかな?

教授の私的な願い事を、図工2の私が無謀にも果たし、午後の3時半を回ったところでお暇。
あっという間の5時間半だった。

家に帰って、スピーカを設置しようとしたら置き場所である調度品の寸法がちょっと足りない。配線も少し違うので結局部屋の片隅置いてあるだけ。
speaker

これを機に家具とチューナーを買うことにしよう。
それまでは無駄な置物かあ。




2017.9.7 雨のち曇り 25℃

ここのところマリーナにも行ってない。が、毎日せわしい。
退職したらもっと優雅な生活ができるのではないかと思っていた私がバカだった。
昨日はボランティアでまた新しい生徒を迎えた。今日は実家でケアマネと話し、昼食をはさんで両親を区役所に連れて行った。時間がうまく取れないので整骨院通いはやめた。
毎日なんとなくバタバタして、自分の勉強も捗らない。
まあ、貧乏暇なしってやつだな。

私が自分のクルーザーを夢見たのは小学生の頃だった。
でも、それは「鬼号」ではない。勿論、「ツバメ号」や「アマゾン号」は別格な存在で、絶対に”乗る”と決めていたが、それはディンギーの話。
キャビンを持ち、ベッドがありキッチンもあるクルーザーは夢のまた夢だった。
憧れのスクーナー、「ヤマネコ号」はランサムの本に登場するたび胸がワクワクした。ただ、それは”子ども達の空想の世界”。シェイクスピアの劇中劇。クルーザーというより帆船だ。
マムシ号156

小学生の私が一番感銘を受けたのはオオバンクラブの「死と栄光号」なのだ。
デス・アンド・グローリイ(このフリガナが最高)は積載ボートを改造したクルーザーだ。サルベージ会社のプレートを持ち、土管の煙突を付けている。船大工の息子たち、ジョー、ビル、ピートのお手製のクルーザー。無理矢理分類すれば1本マストのキャットリグだが、マストなどのスパーは沈みかけたマーゴレッタ号を助けたご褒美でもらったもの。主要エンジンは人力のオール2本。
オオバンクラブの無法者』(この邦題も好き)では古い搭載艇として出てくるだけだが、『六人の探偵たち』では低い”船室”と煙突を持ち、キャビンを白いペンキで塗ったニュー デス・アンド・グロリイとして登場してくる。
今は大型客船の救命ボートも鎧張りの木製なんてのは見かけないが、当時の搭載艇は上陸用舟艇を兼ねた頑丈な作りだ。映画では反乱がおきると、決まって心もとないボートで船長たちが大海原に流される。ジャック・スパローもそんな一人だった、あれね。
スタンがほとんどなく、堅牢で鈍重だが、アウトラダーだから一応帆走できるようにはなっている。
『オオバンクラブの無法者』では”ガレー船の奴隷”が漕ぐというような比喩で紹介される。
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今はともかく、中学生になっていた私はとても興味津々だった。
フネに泊まれて、煮炊きもできるボート。こりゃあ、動く別荘いや秘密基地じゃないの!
あれから、ずーっと「死と栄光号」を夢見た。

アダチ君と北部の湖にディンギー、ウィンダミア号を浮かべたのは30歳をとうに過ぎていたが、小さい頃に夢見た”自分たちのフネ”であることはとびっきり素敵なことだった。
1年に3回、桧原湖でキャンプし、毎日毎日桧原湖をウィンダミア号で探検した。
ウィンダミア号には10年乗ったが、年を経るごとに、
「キャビンがあって、寝泊まりできたらなあ」という思いが強くなっていくのだった。
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   ウィンダミア号航海日誌より

我がJollyhotはれっきとしたクルーザーだ。
寝泊まりできるし、ギャレーで分厚いベーコンを焼くことだってできる。できないのは、ガレー船のように長いオールで漕げないことぐらいか。
私とリルの憩いの場でもある。まったく申し分ない。
ただ時々思う。
このフネが湖にあったらなあ、と。
フリント船長の屋形船や、愛犬を乗せた”動かない”ティーゼル号トムのテントを張ったティットマウス号… 水の上のプライベート空間は我々日本人が考えるよりも英国人は発想が豊かだ。
レースだブルーウォーターだのと決めつけない。湖沼地方の当たり前の生活がそこにはある。
『オオバンクラブの無法者』にはそんなフネがたくさん出てくる。
中学生の頃はよく分からなかったことも、20年後に読んだらまさにフネのオンパレード。このブローズ2作品は年を取ればとるほど、そのバックグラウンドの華々しさに驚く。等身大のランサムの観察眼が文字になっていることがわかる。

暇さえあればそんなとりとめのないことを考えている私も、未だガキだな。
っていうか、最近体力の衰えを感じてるのかなあ。
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  オマエじゃガレー船は無理だし…

整骨院やめたから、体重いし、腰も痛い。そんなこともあるかなあ。
ランサムの世界から死ぬまで抜けきれないんだろうな。





2017.7.11  晴れ 31℃

毎夜の熱帯夜が続いている。
さすがにエアコンをかけて寝ることはないが、なんだか寝た気がしない。
マンションの人たちはやっぱり夜もエアコンが必要なんだろうなあ。

昨年も日程が合わず、恒例のファミリーキャンプに息子は参加できなかったが、今年もなかなか家族の調整がつかず、どうしようかと思っていた。
桧原湖の雲

私も年々長距離運転が疲れるようになってきたし、お盆時期の大渋滞はリルにとって苦痛以外のなにものでもない。
とはいえ、そのリルにとって爽やかな高原の避暑はとても大切なこと。涼しい場所で思い切り走り回らせてやりたい。
リルと二人で出かけようかと思っていたが、そうなるとサービスエリアでの休憩が休憩にならない。
休憩の度にリルとドッグランで走り回らねばならぬ。
最悪、富士五湖かなあとも考えていたところ。実際この先桧原湖へいつまで行けるか分からないしね。

昨夜、息子と密談してお盆の真っ只中に行くルートを考え、8/16の出発で8/19の帰宅ということで一応双方の了解になった。息子に免許取らせたのはこのためだ。
朝焼けの大島

またバンガローにするしかないが、最近はそのバンガローでさえきつく感じる。1泊ならテントでもいいが、3泊ともなるとコテージが欲しくなる。なんとも情けない。
むー、贅沢は敵だ!
 若い頃は北アルプスを縦走しながら石だらけのテン場に寝ていたし、三陸や北海道をテント背負って徒歩旅行もしてた。だから桧原湖の芝生のテント場はむしろとても快適で、アダチ君と1週間くらい当たり前に居座っていたものだ。
と言いつつ、この10年はテントすら張ってないな。
それに、牧場キャンプ場にはコテージがない。30年前とあまり変わらない古ぼけたバンガローが4棟あるのみ。

勿論裏磐梯には星野リゾートもあれば、こじゃれたペンションや豪華なコテージもある。
それでも牧場キャンプ場を離れない理由は三つ。
①誰も来ないのでリルをノーリードで芝生の中を走らせることができる。
②カヌーやディンギーを出せる浜がある。
③オーナーとは2代にわたって付き合いがあり家族同然だ。
尤も、今はカヌーもディンギーも持ってないが…
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  キャンプ好きだよ。

そもそも、なんで桧原湖なのかといえば、単に英国の湖水地方にそっくりだからで、その湖水地方はランサムファンの聖地だからなのだ。
湖ならどこでもいいというわけではない。この愚かなこだわりにこそ、少年の日の夢が詰まっている訳で、私が生涯ランサムのファンであるという証なのだ。夢の原点と言ってもいい。
本場の湖水地方を訪れるまでは、ランサムの物語ではこの地をいつも思い浮かべていたし、実際湖水地方に行ってその目で実物を眺めた時もとてもよく似ていると実感したのだった。そして、本場の湖水地方を見てからこの桧原湖参りが始まったわけだ。それから英国へは3度行ったが、決して桧原湖参りをやめることはなかった。

てな訳で、睡眠時無呼吸を抱える身になっても、虫や蛾に苛まれても、バンガローの寝袋に腰や肩の痛みが倍化しても、夏の桧原湖に行こうとするのである。
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 夕方でも暑いよ~

今日、予約をしようと牧場キャンプ場に電話をしたが、誰も出ない。
昼頃には誰かいるだろうと思ったが、呼び出し音しか鳴らない。
まあ、この時期は土日ぐらいにしか営業してないんだろう。客商売がうまいとは言えない。

仕事から帰ってきた家内にキャンプ予定を話すと、
「なんとか休みが取れるかもしれない」と言う。
ドライバー3人なら、いざとなれば太平洋岸コースや日本海岸コースも選択肢になる。
東北自動車道のお盆ピークは断続的に50km以上の渋滞になるのは必至。
なんとかなりそうだな。

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